ケンタの母さんは、チラリ・・・とミラーをのぞくと、後部座席のソウタと目が合いました。

「そうねぇ~」と言いつつ、少し考え込むようにして、

「私たちの担任の先生は、さすがにもういなかったけれど、たまたまよそのクラスにいた先生が、奇跡的に、この学校にいたのね」

と、思い出すようにして、言います。

すると、ユウタが「えっ?」と言って、前のシートに

てをかけて、身を乗り出すと、

「それって、どの先生ですか?」

と、楽しそうに、聞きました。

 

 ケンタの母さんは、時折、道路を気にしつつ、

ユウタ達の質問に、答えようとします。

段々いつもの通学路にさしかかり、ユウタが周りを気にして、ソワソワしてくる頃に、とうとう見覚えのある、校門が見えてきました。

すると、母さんは、信号待ちの間に、今更思い出したかのように、クルリと振り返り、ソウタ達の方を向くと、

「あなたたち、お母さんに、ひと言、声をかけて

きた?」と聞くと、

「いやぁ~」と、ユウタは頭をかきました。

それからあわてて、

「いったん、家には、帰ったんですけどねぇ~」

と言い添えると、

「おまえは、いつも、それだなぁ~」

とソウタが呆れたように、笑いました。

 

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