ケンタくんの父親の態度の急変に、一体何が

あったのだ・・・と、善行は考えると、ふとその原因は、目の前にある物のせいではないか・・・と、

思い至ったのでした。

「もしかして・・・」

善行が口を開くと、父親もジロリと視線を善行に

向けます。

「この絵は、あなたの物ですね?」

と聞くと、父親は一瞬、驚いた顔をするけれど、

再び顔をこわばらせ、

「そうだ」と言います。

そして、さらに

「だから、この絵には、手を触れるな」

「わかりました・・・」

と善行はいうものの、ある点が引っかかりました。

それなので、父親の方を向き、様子を伺いつつ、

おそるおそる・・・といった体で、

「ならどうして、きちんと飾っていないのですか?

なんで、あんなところに・・・しまい込んでたんですか?」

善行の指摘に、初めて 顔色を変えた父親。

ジィッと、絵に視線を注ぐと、

「これは、大切な絵なんだ・・・」と言う。

「大切なら、どうして、あんな押入れに?」

善行の声に、ピクリとまぶたがひくつきました。

善行は、さらに、口を開くと・・・

「あれは・・・あいつの絵を、嫌うんだ・・・」

と、父親は、顔をゆがめて言いました。

そうしてようやく、現在の継母が、亡くなったケンタくんの母親に対して、異常なまでの敵愾心を

示すことを、認めたのです・・・

 

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