それは、魔法の呪文のようだった・・・

ヒトコト、校長先生が耳打ちすると、みるみる

青ざめて、「それは、ちょっと・・・」と、まるで

風船が音をたててしぼむように、シュン・・・と

縮こまったように見えた。

はた目からも、明らかにうろたえている教頭先生。

「このことを、公にしてもいいのですか?」

校長先生は、さらに追い打ちをかけるように、

やけにはっきりと言うと、

「わかりました・・・いいでしょう」

教頭先生は、ガックリと頭を垂れた。

「今日だけですからね~そうたびたび、前例を

破ることは、あってはいけません」

と、教頭先生がなんとか、威厳を取り戻そうとして、厳しい顏。

さらに、岸本先生の方を向き、

「わかりました。詳しい内容を、用紙にまとめて

提出してください」

と、校長先生は言うと、この件はこれで終わり・・・

と言わんばかりに、机の上の内線を手に取った。

 

 軽く会釈をして、退出しようとすると、

いつの間にか、教頭先生が岸本先生の背後に

近付き、

「あまり、調子にのらない方がいい・・・」

と、ひと言、捨てゼリフのように言って、背を向けた。

すると、校長先生が、

「気にしなくて、いいですからね」

と、わざと大きな声で、教頭先生の耳に入るように言った。

だが、その声が聞こえないふりをして、教頭先生は、スルッと部屋を出て行った。

呆気ないほどスムーズに、校長先生の許可が取れたので、とりあえず、これでよしにしよう・・・と

岸本先生はあらためて、頭を下げた。

 

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