校長先生の期待のこもったまなざしに、岸本先生は、若干のプレッシャーを感じながらも、

考えてきたことを、ようやく切り出した。

「せっかく、子供たちが集まるのだから、ただの

お別れ会じゃ、面白くない。

この際だから、想い出に残るようなことをしよう・・・

と思ったんです・・・」

岸本先生は、少し緊張気味で、額に汗が浮かんでいた。

「ほう・・・それは、なにかな?」

校長先生の言葉に、うなづきながら

「タイムカプセルです」

一気に言うと、額をこぶしでぐいっと、乱暴にぬぐった。

「タイムカプセルですか」

「はい・・・みんなで、タイムカプセルに思いを詰めて、埋めてしまおう・・・と思うのです」

と言うが早いか、教頭先生はたちまち、しぶい顏になり、

「それは、どうですかな」

と、勝ち誇ったように、言った。

なんとなく、雲行きが怪しくなってきたのを感じて、

岸本先生は、焦りを感じた。

すると、先ほどまで、校長室の自席で、話を聞いていた校長先生は、

「うーん、タイムカプセルの前倒し・・・ですかぁ」

と、あごに手を触れて、じっと、考え込んでいる。

「やはり、前例にないから・・・ダメなんですか?」

岸本先生は、教頭先生を、じぃ・・・とさらにみつめた。

 

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