よっちゃんから、キャンバスを受け取ると、

「おぉ~」というドヨメキと共に、みんなが善行を

取り囲みました。

「で、これって、やっぱり絵なの?」

ユウタが聞くと、一同は一斉にうなづきました。

善行は、ハルミくんの顏をチラリと、見ました。

ガッカリしているのではないか、と思ったのです。

だけど、それは杞憂に過ぎなかったようで・・・

「開けても、いいか?」

よっちゃんが、ハルミくんに聞くと、「うん」と

すかさずうなづきます。

みんなが見つめる中、カサカサと音をたてて、その姿をあらわにしました。

「おぉ~」

またも、声がもれてきました。

 

  茶色い紙から、姿を現したのは、真っ青な海のほとりに立つ、桜が

ハラハラ・・・と舞い散る、幻想的な

風景でした。

月夜に照らされて、キラキラと光る、その姿は、まるで 夢のようで・、思わず善行も「うむ」とうなりました。

すると、隣との境い目のふすまがいきなり、がらっと開かれて、一人の男性が入ってきました。

「オイ、何、勝手なことをしてるんだ」

その声の主は、ハルミくんのお父さんでした。

「なにって、ハルミくんに頼まれて・・・遺品の整理

ですよ」

わかりきったことを聞くので、善行は思わず、ブゼンとした顔をしました。

 

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