大好きなあなたへ。

 昨晩は、中秋の名月ということで、私の暮らす京都のマンションのベランダから、月を眺めました。仕事を終え帰宅した頃合いにベランダに出たら、ちょうど真上の正面に月があり、「私のための名月」ということにして、涼しい夜風にあたりながら鑑賞しました。

 知人が、大原に畑を借りています。土に触れられるのどかな場所なので、私も時々、畑行きに同行させてもらっています。その一角に、私の好きな茗荷を植えさせてもらいました。ほとんどほったらかしなのですが、土地にあったのか、育ってくれました。食用には花が咲く前が向いているようですが、今も花の咲いた茗荷を収穫しています。

 群生する茗荷は茎が密集するとほの暗く、その中で咲く茗荷の淡黄色の花は、妖しく光っているよう。花が咲いているもののほうが見つけやすく、暗い中での存在感はなかなかのものです。

 収穫した茗荷の花を水の中にいれてみたら、まるで水中花のような美しさ。食べてみると、ほのかに茗荷の味、この時期ならではの味でしょうが、すぐしぼんだり傷んだりしてしまいますので販売には向きそうにありません。育てている人の特権といったところでしょうか。

 ちなみに、茗荷の季語を調べてみました。「茗荷竹(みょうがだけ)」は春、「茗荷の子」」は夏、「茗荷の花」は秋、「茗荷祭」で冬とありました。一年を通じて季語がある植物も珍しいのではないでしょうか。茗荷は、私が「好き好き」言っているだけでなく、古(いにしえ)人にも愛でてこられたようです。

 中秋の名月を眺めたら、旧暦9月13日の十三夜の名月も楽しむのが風流なようです。どちらかを見逃すのは「片見月(かたみづき)」といって野暮なことのよう。今年の十三夜は10月29日だそうです。塩漬けにした茗荷をなにか料理に加えた一品をつまみに、この十三夜も忘れずに見たいと思っています。