反省会をさかえ通りの魚金でしていたら連盟のAさんがやってきた。


(Y君に)「お前どこ?東大?開成だよな」
「慶應です」
「僕の中高大の後輩なんですよ」
「へーそうなんだ、慶應ってどこ?私大?」


だいたいいつもこんな感じ。


さてボードの反省をしていたらKさんがおもむろにペン貸してと言ってきてTさんになにやらシステムの提案をしている。そこにはこう書かれていた。


1H (2S) ?

3S=SPL
4C=4Hには惜しい手


「競合いで(相手スートの)SPLが無いのは良くない」
「cuebid=SPLを優先して、その上に強い手を入れておくんですね」
「そう」


お、jumpしないSPLね。これは簡単でつかえそうだ。もう一つ口頭で言っていたのを書き留めた。


1S (3C) ?

4C=SPL
4D=4Sには惜しい手


「マイナーオープンもありなんですか」
Tさん「マイナーオープンはどこ目指したいのって話だから」


たしかに。
Tさんはうーんちょっと考えると言っていた。僕はそのシステム周りを聞き出した。


1H (2S) ?

2NT=cheapest cuebid
3C-3H=NAT
3S=SPL,4card support
3NT=?
4C=4Hには惜しい手

1S (3C) ?

3Red=NAT
3NT=?
4C=SPL,4card support
4D=4Sには惜しい手


3NTについては、1Sに3C言われた時、3NTやりたい手ある?とまず聞かれた。あんまりないかも、と答えると、1S-2NTに3S,3NT,4Sと答えるように、上中下のサポートレイズとしてもいいし、3Cで追い込まれてるときもあるからナチュラルでもいいという話をしていた。


多分、NATにしとかないとネガティブダブルに負担かかりすぎるから、3NTはNATで良かろう。

cheapest cuebidも含めてこの競合いをもうちょっと一般化してみよう。これは間違えなければそこそこ良いと思うし、ブリッジある程度やる人ならあんまり間違えないと思う。


cheapest cuebidの発動条件:

1M 2oM ?ときて、2NTをサポートレイズ(=const+)にする。
cuebidと使い分けられる時はNTを4枚サポート、cuebidを3枚サポートとする。(non jump SPL使うならここはオフ)

ex.
1H 2S ?
(1S) 2H (2S) ?
(1H) 1S (2H) ?
(1C) 1S (2H) ?


cheapest cuebidを前提としたnon jump SPLとSTR support raiseの発動条件:

1Mに対して競合いの最初の機会のcuebidをSPLとし、3Mと4Mと3NTを除く一つ上のbidをSTR support raiseとする。3D以上の介入はオフとする。STR support raiseは、ゲームビッドが勿体ない時に使う。言い方が長いのでPowerful raiseとする。

ex.
1H 2S ?

2NT=3+card support, const.+(=cheapest cuebid)
3S=SPL
3NT=NAT
4C=Powerful raise
4D=FSJ
4M=NAT


(1H) 1S (2H) ?

2S=NAT
2NT=cheapest cuebid
3C/3D=NAT
3H=SPL
3S=PRE
4C=Powerful raise


(1C) 1S (3C) ?

3Red=NAT
3NT=NAT
4C=SPL,4card support
4D=Powerful raise
4M=NAT


(1S) 2H (2S) ?

2NT=cheapest cuebid
3S=SPL
3NT=NAT
4C=Powerful raise
4D=FSJ
4M=NAT


3D以上の介入も検討してみたけど…
SPL、ナチュラルにマイナーを言う機会とSTR support raise、3NTナチュラルのどれを残すかが問題となる。
記憶のしやすさが大事なのでNATは残した結果、オールナチュラルになるのでオフ。ほら1NTオープンに4Dオーバーコール以上はテキサスTRFオフになるでしょう。あれと一緒。

3NTをサポートレイズにする手があるけど、ダブり殺すか3NTをやりたい手でチョイスがなくなるのは割と困りそうなのでやはりオフとしよう。

これはFSJとかネガティブフリー、NAT2/1のディフェンスにも使える。1st bidを無視すれば良いだけだ。5枚以上のスートが二つ示されてる場合は両方ともnon jump SPL。


(1D) 1S (3C) ?

3D=cheapest cuebid
3M=NAT
3NT=NAT
4C=SPL,4card support
4D=Powerful raise
4M=NAT


(1S) 2H (3C) ?

3Red=NAT
3S=SPL
3NT=NAT
4C=SPL
4D=Powerful raise


cheapest cuebidの概念は1の代へも拡張できる。
この時はnon jump SPLとPowerful raiseがなくなる。だってジャンプすればいいし、cheapest cuebidで処理すればいいから。


(1C) 1H (1S*) ?

*S5+

X=snapdragon
1NT=NAT
2C=cheapest cuebid, 3card support
2Red=NAT
2S=cheapest cuebid, 4+card support
2NT=NAT
3C=const. raise
3D=FSJ
3H=PRE
3S=SPL
4C=FSJ
4D=SPL


ダブル介入には、それが5枚を示さない限り活用しない。1Cを軽く無視して、TRFがonならだいたいこんな感じ。


(1C) 1H (X) ?

XX=power
1S=NAT
1NT/2C/2D/2H=TRF
2S=FSJ
2NT=truscott
3C=FSJ*
3D=FSJ
3H=PRE
3S=SPL
4C=SPL
4D=SPL


Xの代わりに1S=4枚の人もこれに準ずる。

3C*はFSJ(1C完全無視)かconst(1C尊重)か。
今どき1Cオープンの保証枚数2枚がちなので、間違えにくいし完全無視でいいと思う。

ちなみにプレシジョン1Dはcheapest cuebidとかなくて完全無視でいい。右手の反応が4枚だろうが5枚だろうが、時にcheapest cuebid使ったりして適当にやればいいと思う。


(1D*) 1M (3C**) ?

*D2枚以上,10-15
**NAT

?=1M (3C)と同様に。


右手のNTに対してはオフ、NTがボスマイナー示す時はunusual 2NTと同じように適当にやる。どちらもcheapest 2NTは発動しない。Rubensohl使ってるやつにはcheapest cuebid諸々が発動する。

ex.
(1H) 1S (1NT) ?

?=システムオフ


(1D*) 1M (2NT**) ?

*D2枚以上,10-15
**マイナー9枚

?=unusual 2NTと同じ


(1S) 2H (2NT*) ?

*=C, const+

3C=cheapest cuebid
3Red=NAT
3S=SPL
3NT=NAT
4C=SPL
4D=Powerful raise


こんな感じでどうでしょう。