俺が俳優を志していた時の話~聖書と未来②
だいぶ前に竹やぶに二億円が捨ててあった事件があった。
正しくは「二億円を置いておいた」と本人が語っていた。
通販会社が税金逃れでそうした。
一作目の監督はその会社でアルバイトをしていた。
どこかで観た顔だと思ったら、騒動になって記者会見をしていた会長と社長が会社にいた。
それで解ったそうだ。
彼のその後は解らない。
三作目の監督もどうしているか解らない。
映画監督にはなれなかったのは確かである。
二作目の監督はビートたけしと対談後、ガンが発覚してすぐに死んでしまった。
結局商業映画は撮れなかった。
一作目はロードムービーだった。
出演者は三人である。
主演した同じ事務所の同期は今でも俳優をやっている。
無名の俳優である。
一時期は六角精児の劇団にいたり、再現ドラマとか普通のドラマで少しだけ出演している。
彼は芝居が好きだった。
だから、有名になりたいとかではなく、一生俳優でいたいと語っていた。
その望みは完全に叶えられている。
俺としては嬉しいね。
なお、彼をマネージメントしているのは女社長で当時その女と同じ事務所でレッスンを受けていた。
その彼女の事務所は大成功して出版関係者から聞いた話では数年前に乳がんを患い、切除したそうだ。
旦那も子供もいない。
現段階で幸不幸がこうも別れている。
事前にそれは決まっていたと俺が言ったら皆さんは信じるだろうか。
二作目の監督とは撮影後も連絡を取っていたが、よくケンカをしたよ。
能力があるのだから、売り込むなりして早く商業映画を撮れ!と俺が言って。
「貧しくて自主映画だったとしても映画を撮り続けられればそれでいい」というのが彼の言い分だった。・・・・・