テキスト公開2~1月26日(日曜日)無料体験講座 | 草加大介 公式ブログ ナンパ塾・恋愛塾・別れさせない屋・復縁塾

テキスト公開2~1月26日(日曜日)無料体験講座

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『ヰタ・セクスアリス』森鴎外・新潮文庫
 
性欲的に観察して見ると、その頃の生徒仲間には軟派と硬派とがあった。軟派は例の可笑しな画を看る連中である。その頃の貸本屋は本を竪に高く積み上げて、笈(おい)ようにして背負って歩いた。その荷の土台になっている処が箱であって抽斗(ひきだし)が附いている。この抽斗が例の可笑しな画を入れて置く処に極まっていた。中には貸本屋に借る外に、蔵書としてそういう絵の本を持っている人もあった。硬派は可笑しな画なんぞは見ない。平田三五郎という少年の事を書いた写本があって、それを引張り合って読むのである。鹿児島の塾なんぞでは、これが毎年元旦に第一に読む本になっているということである。三五郎という前髪と、その兄分の鉢鬢奴(ばちびんやっこ)との間の恋の歴史であって、嫉妬がある。鞘当がある。末段には二人が相踵で戦死することになっていたかと思う。これにも插画があるが、左程見苦しい処はかいてないのである。
 
軟派は数に於いては優勢であった。何故というに、硬派は九州人を中心としている。その頃の予備門には鹿児島の人は少いので、九州人というのは佐賀と熊本との人であった。これに山口の人の一部が加わる。その外は中国一円から東北まで、悉く軟派である。
 
その癖硬派たるが書生の本色で、軟派たるは多少影護(うしろめた)い処があるように見えていた。紺足袋小倉袴は硬派の服装であるのに、軟派もその真似をしている。只軟派は同じ服装をしていても、袖をまくることが少い。肩を怒らすることが少い。ステッキを持ってもステッキが細い。休日に外出する時なんぞは、そっと絹物を着て白足袋を穿はいたり何かする。
 そしてその白足袋の足はどこへ向くか。芝、浅草の楊弓店、根津、吉原、品川などの悪所である。不断紺足袋で外出しても、軟派は好く町湯に行ったものだ。
湯屋には硬派だって行くことがないではないが、行っても二階へは登らない。軟派は二階を当てにして行く。二階には必ず女がいた。その頃の書生には、こういう湯屋の女と夫婦約束をした人もあった。下宿屋の娘なんぞよりは、無論一層下った貨物(しろもの)なのである。
 

 

 

 

 

 

 

※1

「ナンパ」や「ナンパする」とは本来、どのような意味・用語だったかがこの原稿から解る。軟派に対して硬派は最低な男たちである。

 

 

※2

拙著『軟派の作法』(双葉社)がどうして「ナンパ」でなく、「軟派」なのかも大まかご理解いただけただろう。・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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