早起きしてしまったので


朝の無駄話におつきあいください





11月26日



一晩中、台本の書き直し作業をしていて、ようやく睡魔が襲ってきた。



確か、記憶の中で見た時計には午前3時と表示さええていた。


浅い眠りの後


激しい空腹で目覚めた。


ホテルで朝食のサービスが始まったらしくパンの香りが部屋に充満していた。


窓を開けたまま眠ってしまったよう。

パリ時間 午前6時


こんな時間に起きても仕方ないが、空腹には勝てずレストランへ


大体、世界中どこの食生活でも生きてゆける自信はあるが

唯一、苦手なのがフランスの朝食


菓子パンと、カフェオレ


朝から甘いものなんか無理


幸い、このホテルにはソーセージとベーコンと卵のついた英国風の朝食がついている



席についてコーヒーと一緒に注文して辺りを見回す


発音を聞くかぎり、4割が英国人 3割がアメリカン


残りが他の国という感じ


こんな時間に朝食を食べているのは、ビジネスマンしかいなかった。


こんな早くに朝食食べて、ホテルを出るまで3時間くらいどうしようかな~と悩んでみる


食後のコーヒーを飲みながら、パリの地図を検索していた。


今日は夜に会食が一件あるだけで



あとは自由に取材タイム



歴史資料館とか博物館とか、そんな場所を巡ればいい



ベルサイユに行くかどうか悩み中



散々行った場所だし、今更新しい発見があるとも思えない



子供の頃、母に連れて行かれたベルサイユ



母に、どう思う?




と聞かれ、僕は



「こんなん税金で作ってたら、そりゃ首きられるね・・・・・」



と言ったらしいが覚えていない



僕、個人の記憶としては


こんな宇宙の中心みたいな宮殿に住んでいて、まさか自分たちが滅びるなんて思わなかっただろうな・・・ということ



そういえば、断頭台で首を切られる前のマリーアントワネットのラフスケッチが残っている



ここであげるわけにはいかないので、興味があったら検索してみてほしい



宇宙の中心のようなベルサイユから引きずり出され


子供と引き離され



髪を切られ


オーストリアのアバズレと腐った卵をぶつけられ


手を後ろで縛られ、馬車で連行される姿を描写したラフスケッチ


それでいながら、背筋が伸び、視線は真っすぐ先を見据えている



王族は何時間でも同じ姿勢を保てるよう教育されている



ましてや、彼女はその頂点



この画家は、むしろこの「オーストリアのアバズレ」を面白く風刺しようとして書いた





おそらく、どう頑張って、こけ降ろそうとも




彼女の凛とした


生まれながらの女王の風格を、風刺することができなかった


こんな逸話が残っている



彼女が、断頭台へ上がる時、兵士にぶつかってしまった


「ごめんあそばせ」と貴族的な謝罪をしたという



歴史を勧善懲悪で描きたがる人がいる



世界大戦だってそうだ



でも、僕はにとっては全てが人間の業であり



正義か悪かなど、時代ととも変わる価値観などに興味はない


結局、僕が描きたいのは、人なんだと思う。




コーヒーのおかわりはいかがですか?



ウエイターが聞いてきてくれた。

一杯飲みながら・・・


この人だって、斬られた王族の末裔か、あるいは斬った側か



歴史上の人物や、外国人、あるいは国家としての敵を



人は何か遠い存在のように思ってしまう


でも、結局、みな朝このコーヒーを飲んで旨いと感じる人なわけで



そういう視点から物語の登場人物を構築すると、血肉が通った人物になる気がする



アントワネットだって、コーヒー飲んでたわけだしね



というわけで、あと2時間くらい



仕事しよw