ある日、農家にファームスッタフを派遣するという営業の企画がひらめきました。
主に群馬県や長野県が中心に、
キャベツやレタスといった
高原野菜の栽培と収穫、出荷作業をするスタッフ(男女)を、
夏から秋にかけての繁忙期に、
農家さんに紹介させて頂こうというものです。
調べてみたところ、出荷の繁忙期ともなると、
どの農家さんも人手不足で、
縁故知人はもちろん
求人紙で募集をかけても
なかなか人を採用できず
困っているという現状が把握できました。
そこで、お手伝いを必要としている農家さんを調べ、
リストにし、一軒一軒に手紙を出したところ、
たくさんの農家さんから注文を頂くことができました。
早速、打ち合わせの為、
車で群馬や長野へ出張し、
アポイントのとれた農家さんを回りました。
山奥のカーナビも対応しないような畑のあぜ道を
一人車を走らせました。
そして、ファームスタッフを農家に紹介させて頂く前に、
まずは自分自身が実際にどんな仕事をやるのか
体験しないことには!と思い、農家さんに頼み
何日間か無償で働かせて頂くこととなりました。
農家の朝は早く、
朝3時半か4時頃に起きて、
着替えたらすぐに畑へ出ます。
女性陣は主にキャベツやレタス等を
包丁を使って収穫し、
ダンボールに詰めていきます。
男性陣はというと、まず畑につくと
ダンボールを組み立てる作業を行い、
そこに野菜が入っていっぱいになると、
ふたを閉じ、今度はその重たいダンボール箱を
JAに出荷するための大きなトラックへと
どんどん積み上げていきます。
夏とはいえどまだ真っ暗な中、
切り終わった野菜の株やら葉っぱでぬかるんだ斜面を
足を滑らせ転ばぬよう踏ん張りながら、
重たいダンボール箱を持ち、
畑とトラックとを往復します。
最初、一箱ずつ運んでいたところ
(一箱でもかなり重たいのに)、
日が暮れてしまうと言われて
2箱ずつを持っての移動を余儀なくされたのですが、
これには正直かなりこたえました。
手も足腰もガクガクになりながら、
疲れてくると、
トラックの上のほうへ積むのに
腕があがらず辛いのなんのって・・・。
確かに山に囲まれ、空気は美味しく、
眺めも素晴らしい大自然のなかで
農業のお手伝い(ファームスタッフ)と言えば聞こえはいいのですが、
実際に行うと、
若い頃やった建築現場のどかたよりも
ハードな仕事といっても過言ではないと思いました。
日がのぼって、東京では通勤ラッシュの頃、
畑では素晴らしい山間の景色を眺めながら、
のどかにおにぎりとキャベツの朝食を頂きます。
でも、もうその時点ですでにヘロヘロです(笑)
つかの間の朝食後、
またすぐに昼頃まで収穫と出荷の作業は続き、
午後は昼食後2時間ほど睡眠をとり、
長い休憩を頂きます。
その後、畑へ戻り、
午後は早めの夕方4時から5時頃には作業を終え、
近くの温泉で汗を流し、
6時に夕食を頂き、
7時半ごろにはもう床について次の日に備えます。
こんな大変な仕事をして下さっているんだなと思ったら、
農家の方々に対する感謝の気持ちが芽生えました。
そんな訳で、その後求人誌で募集をし、
東京で面接をしては農家へ行くの繰り返しでしたが、
人には恵まれ、
初年度からたくさんの農家さんに
いいスタッフを紹介させて頂くことが出来ました。
長い方は、半年くらい行って下さったのですが、
都会ではなかなか味わえない貴重な体験をされ、
東京に戻ってからお会いしたスタッフさんたちは、
面接の時よりも一回りも二回りも
成長されていたように見えました。
結果として、スタッフの方々にも農家の方々にも喜んで頂け、
雇用の創出にも繋がったし、
何よりも、私自身がたくさんのことを学ばせて頂けた一件でした。