退院してから雑事に追われ

気がつけば2週間が過ぎている

 

危険な暑さと

老いのせいだろうか

 

体力の回復がままならない

 

 

 

・かさぶたの下にじくじくメスの痕

 

 

 

それでも萎れている花木を見れば

水やりは欠かせない

 

少しでも体力の回復につながればと

朝夕の日課としている

 

夏の日差しは朝夕の涼しさを

放射熱が奪う

 

軽作業だが結構な汗をかく

 

だからその後はシャワーをして

冷えたウォーターをぐい飲み

 

泡の水でなくても美味い

まさに命の水といったところ

 

ふと「蝉の抜け殻」が目に留まる

 

 

・空蝉のしがみついてる深緑

 

 

身重な体を押して

こんなところまで歩いてきたのだろうか

 

放水ヘッドをシャワーから霧に切り替えて

涼をそっと振りまく

 

蝉の一生は短いと聞く

 

背割れからの新しい命に思いを寄せる

 

なぜか哀しみにも似た

 

切ない感情が湧き起こる

 

 

 

・空蝉の背割れ命の物語り

 

 

 

・・

 

 

新しい命を守るため

ようやくたどり着いた安全地帯

背割れからの旅立ちまで

どのくらいの時間を要したのだろうか

 

 

バランスよく三角形をなして

マツバボタンが咲いて 雑多な花壇に彩を添える

 

・・