茨城県茨城町 渋川 個人宅橋3(木橋)。 | 水辺の土木遺産

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水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

茨城県の涸沼の上流、涸沼川の冠水橋を訪ねて、
2023/06/25に行ったツーリング、冠水橋3基、冠水地形の橋を眺めた後は、
涸沼に注ぐ渋川という、小さな川沿いに、私設橋の類を見て回りました。

 

涸沼の渋川に架かる個人宅の橋、ラストはこちら。

 

 

個人宅の木橋でありながら、

手作り感の溢れる左右の欄干付きで、自宅脇には川に降りる梯子まで備えています。

 

 

個人宅のしっかりした屋根付きの門からスタートして、

川岸の土手の芝生に半ば埋め込まれるようにして架けられた木橋。

 

 

地味にこちらにも、川岸に降りるための梯子が土手に埋め込まれています。

 

 

雰囲気の良い橋ですが、

木橋として1径間で渡すのには少々長すぎるのが気になるところ。

もちろん、人と自転車が横並びで通行する程度であれば十分なのでしょうが、

木橋は1径間で10mを渡すことはマレです。

 

 

逆行気味に横から眺めると、

 

 

ああ、地味にここにだけ橋脚があるんですね。

……というか、橋脚の少し右、桁がおかしなことになっています(^^;)

 

 

なんとこの橋、橋脚を1つ備えているのに、

橋脚とは関係のない場所で、桁を継いでいるじゃないですか!

 

 

いや、面白いなぁ……初めて見ました。

力学的には、片持ちのフラットアーチといったところでしょうか?

アーチの力学を使う目的が、桁継ぎと力点ずらしというのが面白いですね。

しかも、フラットにするのは普通は下側ですが、路面の上側をフラットにするという……。

うん、改めて言葉に直すと、初めてどころか、ほかで見る機会はなさそうな気がしてきました(^^;)

 

 

さすがに継いでいるのは、あの一カ所のみ。

上から見た時には橋板が中央で分かれていたことから、

丸太3本を主桁としているものと想像したわけですが、

幅1m少々の歩行者橋としては破格の丸太4本を主桁として利用して、

桁材は橋脚でもない場所で斜めにカットして、そこに載せる形で継がれた2径間。

 

 

いやいや、地味に面白い橋でした。

 

 

また白鳥さんに追い付かれたところで、

少し向こうに潜水しないけれど欄干のない町道橋が見えるので、

そこで折り返すことにして、もう少しだけ渋川沿いを移動します。