流れ橋は、場合によっては河原の岩を橋台や橋脚に、
そこに橋板を渡しただけの簡易な橋で、増水時に橋板が流されて失われる=流失を防ぐため、
川岸の木の幹などに鋼線ワイヤーやトラロープで結び留めてやることで、
流出した橋板を元の位置に戻すだけで渡れるようにした簡易な橋です。
そんな流れ橋なので、必要に応じて簡易に設置されて、
やがて、必要がなくなったときに多くの場合は機能しない状態で放置される形で無くなり、
場合によっては、必要になってまた復活することもあります。
そこまで安易に復活できるのは、
河川占有の許可も受けずに設置された、法的には黒に近いグレーの勝手橋になりますが(^^;)
そうした橋であるだけに、
役割を果たした流れ橋は失われて、痕跡だけが残されているものです。
今回紹介するのも、そんな痕跡だけの流れ橋跡。
場所はこちら。
というわけで、
上の地図で見ると入間川の左岸=西側から接近しました。
そこにあるのは流れ橋の痕跡となる橋脚のコンクリート柱のみとなります。
廃止の原因はこれでしょうね。
橋脚の基部が洗堀されて増水時に流されてしまい、
復旧費用と、利用者数とを秤にかけた結果として、
このまま放置となったのでしょう。
結局のところ、ただそれだけの痕跡ですが、
流れ橋をウォッチするというのは、こんなライフサイクルを、
時折眺めに行っては現在の状態をただ眺めて把握する、
それがまぁ、醍醐味でして。
撮影できるのも橋台からの1枚きりなので、今回は360°写真もまとめての紹介となります。
橋としては失われても、
橋脚がこうして残っているだけでなく、対岸には川に向かって下りるための
人の踏み跡もまだ見て取ることができます。
渡れない流出状態の流れ橋や、失われた流れ橋はもちろん残念なのですが、
こういった橋の名残を眺めるのも、これはこれで、何となく好きです。
次回はすぐ上流、ほんの500m足らずの距離にある流れ橋になります。
……まぁ、そんなに近くにも流れ橋があって、そちらがまだ使えるのなら、
復旧費用が工面されずに破棄されるのも仕方ありませんよね……。