訳
「さて、地獄に落ちた醍醐帝からの勅を受けた日蔵は、必ずやご命令を果たそうと誓った。すると死後12
日も経っていたにも関わらず日蔵は生き返ったのである。あの世で確かに承ったご命令だからということで、すぐに吉野山の麓に菅原丞相の廟を建て、多くの供養を施した。それがこの天神の社殿である。
話しを蔵王権現の事に移そう。
昔、役行者(えんのぎょうじゃ)という修験者が迷える人々を救わんと金峰山に千日籠り、本物の菩薩に会おうと心の底から祈りを捧げた。
すると、金剛蔵王がやさしげなお姿を現し、地蔵菩薩の姿となって地中から湧き上がってきた。
ところが役行者はこの菩薩を否定した。
未来の荒廃した世の中を生きる者たちを救うには、このような優しい顔をしていてはとても出来まい、そう言って鳥取の大山へと飛び去ってしまった。
」
それでは次回をお楽しみに。
(つづく)

