ある外国人夫婦を指導していた。

奥方は日本語ペラペ~ラ。

ご主人はカタコト。


名前は分かりやすく

ご主人をマイケル、
奥方をマドンナとしておこう。



マドンナの薦めでお二人はお寺に住んでいた。

座禅も毎朝行っていた様だ。


マドンナ「ダイチョウ~、オハヨウ!キョウモ ザゼン ノオカゲデ、ゼッコウチョウダヨ!」


「ザゼン、スゴくイイデスネ!ココロガオチツキマスネ。ダイチョウニモススメマスネ!」




いつも明るマドンナだったが、ある日トラブルになった。
朝9時からマドンナの予約が入っていた。

8時50分頃到着すると、マドンナは既にクロストレーナーを汗だくで行っていた。

かなり長い時間を行っている事が想像できた。



「ハ~イ!マドンナ、おはよう!随分早くから頑張ってるね。」

「ワタシハ8ジカラヤッテイル。」
何故かご機嫌がナナメだった。


「それは知らなかった。そんなに頑張ってるの知らなくてゴメンね。」
怒っている意味が解らず、とりあえず謝った。


「ウン、イイヨ。」
少し機嫌が治った様だった。
しかし・・・・・。


「ワタシハ8ジカラマッテル。ナゼオソイ!ナゼアヤマラナイ!」


「???マドンナが予定より何時間早く来ても自由だし、僕は遅刻した訳じゃ無いよ。別に僕が謝る内容じゃ無いよね?」
何だか、マドンナは予定より1時間早く来て頑張ってるのに、ダイチョウは予定通りにのんびり来て腹が立っている様だった。


「ダイチョウ!サイショハアヤマッテヨカッタデスネ。シカシ、アトノイイワケハイリマセン。ヨクアリマセンネ!」
言い訳した訳では無かったし、普段通りに来ただけだった。何とも理不尽な内容で、かなりの上から目線で怒られた。



「マドンナ。では次回僕が予定より1時間早く来よう。マドンナがいつもの様に予定通り来たら、僕が急に怒り出したら驚かないかい?」


マドンナ「・・・・・。」

「マドンナが言ってる内容は理不尽で我儘で筋が通ってないよ!」


「ソレハチガイマスネ!キョウハ8ジカラデスネ!」

僕の営業時間は9時~23時である。営業時間外の予約は基本的に取らないし、確認しながら手帳に書く。間違えるハズは無かった。


「なんだ!時間間違えて、それで僕が遅刻したと勘違いしてるのか!マドンナが1時間間違えてるよ(笑)。」


「マタイイワケイリマセンネ!キョウノダイチョウ、ゼンゼンダメデスネ!」




聞く耳を持ってくれなかった。かなり我儘で理不尽で困った。座禅て効果無いんじゃないかと思いはじめていた。




一方ご主人のマイケルは陽気でカタコトの日本語なので、僕も

ハ~イ、
オッケ~!
グ~ッ!(エドはるみより以前)
デリシャ~ス!
エクセレント!
グレイト!
ワンダフォ!

ばっかりで、大変楽しかった。



もちろん、詳しいトレーニングの説明なんて出来なかったが、笑ってばかりで凄く楽しかった。



マイケル「ダイチョウ。ゲンキ?」

僕「オッケ~!ベリーゲンキ!ベリーグ~ッ」

マイケル「オッケ~ッ!」


こんな調子だった。




夫婦の事もお互いに聞かされた。

マドンナ「マイケルさんは~・・・・・。」
(解りやすくひらがな表記)
マイケル「マドンナさ~ん・・・・・。」


お互い夫婦なのにさん付けだった。お寺の教えらしいが。

しかしお互い僕の事は

マドンナ「ダイチョウ!」
マイケル「ダイチョウ。」

・・・・・・・・・・・・・・・。



なんで俺の事は揃って呼び捨てやねん!



僕の事は外人さんは皆「ダイチョウ」。クライアントの子供も皆「だいちょ。」 チッ

パーソナルトレ-二ングとしんそう療方の大長道場。