ジャイアント馬場とアントニオ猪木の代理戦争 〜秋山準と鈴木秀樹の公開討論 | DaIARY of A MADMAN

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毎日、ROCKを聴きながらプロレスと格闘技のことばかり考えています。


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実に興味深い論争(?)だった。


藤田和之、ケンドー・カシン、NOSAWA論外の“はぐれIGFインターナショナル” の全日本プロレス参戦に対し、全日本の社長・秋山準が釘を刺したことがきっかけだった。 


 

「(前略) 自分たちだけが目立ちたい、やりたいというのが行き過ぎると試合が成立しない。(後略)」


この(前略)と(後略)の部分が、いわゆる「行間」というやつで、秋山流の駆け引きなのだろうが、これに藤田&カシンと「はぐれIGF軍団」を組んでいた鈴木秀樹が噛み付いた。


「私は自分だけが目立ちたいけど試合は成立していますね、たぶん」

「というか成立の意味がわからない。」


そこに、大日本プロレスの宇藤純久というレスラーが、「納得させたら成立っていうなら100%の人が納得するなんてのはありえないからどうやっても試合は成立しなくなりますよね」と鈴木にリプし、「試合成立」の条件として「ゴングさえなれば成立だと思います」との見解を表明した。


ここで(前略)とした部分だが、秋山は一言も「納得させたら」などとは言っていない。

藤田らの参戦に賛否があるとした上で、「今は『否』でもお客さんに満足してもらえればいい」と話しているのだ。

どこから「納得」という言葉が出て来たのかは分からないが、まず秋山が考えているのは「来場したお客の満足度」にあるからこそ、ここに来て全日本の評価が上がっているし、その最大の理由が「試合のクオリティが上がっている」ことなのは間違いないだろう。


つまり秋山が今回の諏訪魔と藤田に望んでいるのは、天龍源一郎の引退試合の時のような“空回り” したものではなく、お互いの良い部分を出し合えるようなクオリティの高い試合だということだ。

そのためには、「自分たちだけが目立てばいい」という姿勢では噛み合わないし、そもそもギクシャクしてしまって試合にならない=成立しない、と言いたかったのだと思う。


もちろん、秋山の考える「お客さんの満足」、「クオリティの高い試合」が万人に受け入れられるものとは限らない。

おそらく鈴木も、宇藤なるレスラー(すいません、存じ上げませんのでご本人にも、ファンの方にも失礼な表現になります)も、それこそ「納得」できないのだろう。


秋山が鈴木に直接返した回答を長くなるが引用する。

「その会場に来てくださったお客様に喜んで帰ってもうのが成立。それは各団体、その時のシチュエーションいろいろ違うと思う。100%の方に喜んで貰えるのは難しい。だけど、そこを目指していくのが僕達のやるべき事では?25年もやっててまだそこには程遠いですけどね。」


それに対し鈴木は、返信に対し謝意を述べながらも、こう返している。

「僕は喜んで貰っても怒って貰っても泣いて貰ってもなんでも良いです。僕のやるべき事は相手に勝つ事です。」


どうだろうか、この噛み合って無さ。

プロレス観の違いなので、いくら話し合ったところで無駄だということが良く分かる。

 


この違いがどこから来るのか。


先にタイトルに書いてしまったが、これは完全にジャイアント馬場とアントニオ猪木のプロレス観の違いだろう。



「プロレスは信頼できる相手とでなければ出来ない」とし、1979年8月26日、いわゆる「プロレス 夢のオールスター戦」で対戦を約束しながらも、以降、二度と猪木と同じリングに上がらなかった馬場。


一方、身内でさえ平気で欺き、第1回IWGPリーグ戦での“アレ” で坂口征二に「人間不信」と言わせた猪木。(詳細は各自調査)



「お客を満足させる」という方向性には違いがないと思うが、馬場の弟子である秋山は「スイングした試合」こそが第一と考え、猪木に薫陶を受けた鈴木は「相手よりも、まず自分が何をやるか」を優先させる。


ついでに言えば、鈴木は「エゴイスト」と言われたビル・ロビンソンに師事するレスラー。猪木は相手の良さを引き出すことにも長けていたが、ロビンソンはそういう考えは殆ど無かった。その影響も強いのだろう。



プロレス界の常識では、このやり取りから「何か」が生まれるのだろうが、2人の会話はこう締めくくられている。



相手に勝つ事は大前提として、いろんな感情をお客様に持ってもらうのはいい事ですね。これからも頑張って下さい。」(秋山)


ありがとうございます。成立させるように頑張ってください。」(鈴木)

 


この平行線っぷりたるや。

ヒリヒリするなんてもんじゃない(笑)。



まさにセメント。

こういうのを、バラエティなどで簡単に使われるようになってしまった「ガチ」というのだ。



かつて長州力は、全日本プロレスに参戦する際に「イデオロギーの対決だ」と宣言した。



まだまだ秋山なら、技術と体力、精神力で鈴木と対峙できるはず。「こりゃあ相手するだけ無駄だ」などとは思わず、是非、リング場で「プロレス観の違い」をぶつけ合って欲しいものだ。











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