月曜日、午前中の授業を終えた後お昼休みとなった。
リュウとマイ、ヒロトとナナミ、ショウとサユリの3組のカップルは昼食を食べに教室を出ていった。
まいまい 「あの3組のカップル仲良いよね~。」
ミサ 「確かにね・・・・でも村上くんとなぁちゃんが一緒にごはん食べてないよ・・・・・。」
ミサが見た方向を見るとナナセはカズミと、ハルトはカズヤと食事をしていた。
ミサ 「・・・・私も早く彼氏がほしいな・・・・」
まいまい 「みさみさは可愛いから早く彼氏が出来ると思うよ!」
ミサとまいまいが話をしていると男子生徒が現れた。
男子生徒 「あの深川さん!このあと空き教室に来てください!」
まいまい 「わかりました・・・・」
男子生徒は去っていった・・・・・
ミサ 「あの男子生徒、前まいやんに告白した人だよ。」
マイマイ 「じゃあ行ってくるね。」
マイマイは空き教室に向かった。
空き教室には既に男子生徒が到着し、しばらく待っているとまいまいが教室に入ってきた。
男子生徒 「深川さん、僕はあなたのことが好きです!付き合ってください!」
まいまい 「ありがとうでもごめんなさい・・・・」
男子生徒はしばらく黙っていたが口を開けて喋り始めた。
男子生徒 「またフラれた!聖母と呼ばれているあんたなら受け入れてくれると思ったのに!ふざけんな!」
男子生徒はまいまいの肩をつかんで壁に追い込んだ。
まいまい 「キャッ!!!」
男子生徒 「いつもいつも俺はフラれてはがり!!今度こそは大丈夫だと思ったのに!!こうなったら無理矢理あんたにキスをしてやる!!!」
まいまい 「(誰か助けて!!!)」
その時!男子生徒の肩を別の男子生徒の手が掴んでまいまいから引き離し、その男子生徒は床に尻餅を着いた。
まいまい 「・・・き・・・・北山くん!!!」
まいまいを助けたのはタクヤだった。
男子生徒 「・・・な・・・なんだお前は!」
男子生徒は尻餅をつきながら叫ぶ。するとタクヤはその男子生徒の胸ぐらを掴んでこう言った。
タクヤ 「お前、さっき深川さんに手をあげようとしてたな・・・・」
低い声で話しかけるタクヤ。
タクヤ 「女性に手を上げる奴は・・・一生彼女を作る資格はねえ!!!!消え失せろ!!!」
男子生徒 「ひっひいい~!!!!!」
男子生徒はビビりながら逃げていった。
まいまい 「北山くん助けてくれてありがとう。」
タクヤ 「どういたしまして・・・・」
まいまい 「どうして私を助けてくれたの?」
タクヤ 「俺は困っている人を見捨てたりしないから・・・・。」
マイマイ 「北山くんって優しいんだね」
タクヤ 「(ドキッ)あ・・・・ありがとう/////あっ深川さん教室まで一緒に帰ろう。俺がボディーガードするからさ・・・・」
まいまい 「うん!一緒に帰ろ♪」
二人は並びながら教室に帰って行った。
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その日の部活
山口 「北山、行くぞ!」
タクヤ 「はい!!」
カキーン!とボールをバットで打つ山口先生。タクヤはボールに追い付いたがグラブはボールを弾いてしまった。
山口 「北山、どうしたんだ!普段のお前なら捕れるボールだぞ!!!」
タクヤ 「すいません!」
帽子をとり謝るタクヤ。
山口 「次!中島!」
ヒロト 「オッス!!!!」
ヒロトは山口先生が打ったライナー性の当たりをジャンピングキャッチした。
ブルペンではショウが上級生達と共に投球練習をしていた。
ビシュ!パシッ!
先輩C 「ナイスボール!」シュッ!
ショウ 「ありがとうございます!次はスライダーいきます!」パス
先輩C 「おう!スライダーな!」
ショウは振りかぶりボールを投げた。
ボールは左に横曲がりし、キャッチャーミットに入った。
先輩C 「いい曲がりだったぞ!」
ショウ 「はい!」
ショウは20球投げた後、ブルペンマウンドから下りた。
コウタ 「ショウ、お疲れ!」
ショウ 「コウタこそお疲れ!」
ショウと仲良く話をしているこの野球部員は八乙女コウタ。ショウと同じく投手で投球フォームはサイドスロー。イケメンなのだが少し頼りなく女のようになよなよしている。
ショウ 「コウタのシンカーよかったよ!!」
コウタ 「マジでありがとう!」
ショウ 「でも一番すごかったのはエースの亀梨さんの投球だったな!」
コウタ 「確かに!球も速いし、スライダーもめっちゃ曲がってたし、特に縦方向に大きく曲がるカーブ!あれすごかったな!」
亀梨修二は市川総合高校野球部3年生投手でエース。球が早く、コントロールも良くさらに変化球も多い。イケメンで目付きが怖いが本当は後輩想いの良い人物。
投球練習と守備練習が終わり休憩時間となった。
「オッス!お疲れ!」
ヒロト 「リュウお疲れ!」
ショウ 「外野ノックもキツかっただろ?」
「当たり前じゃん!ところで今日のタクヤなんかおかしくないか?」
ショウ 「確かに・・・・」
ヒロト 「シート打撃では三振と内野ゴロが多かったし守備練習でもエラーを連発してたし・・・・何かあったのかな?」
「おい!見ろ!タクヤが深川さんのことをじっと見つめているぞ!」
リュウが指をさした方向を見るとタクヤがまいまいを見つめていた。
ショウ 「本当だ・・・・・」
ヒロト 「まさかタクヤは深川さんに恋してんのか?」
三人の間に沈黙が流れる。
三人 「「「ないないないない!!!!!」」」
「タクヤは野球が恋人だろ!?」
ヒロト 「そうそう!高校時代は恋人作らないって言ってたし、第一、タクヤは恋するキャラじゃねーじゃん!」
ショウ 「確かに!イメージが崩壊しちゃうね!」
ナナミ 「恋愛するのは自由じゃないの?」
三人 「「「うわーっ!!!!」」」
ヒロト 「ナナミちゃんどうしたの?急に現れて!!」
ナナミ 「ヒロトくんにスポーツドリンク買ってきたから渡しに来たの❤」
ヒロト 「あ・・・ありがとう!」
「ラブラブだな・・・この二人(小声)」
ショウ 「リュウもマイちゃんとラブラブじゃないか・・・(小声)」
「お前もサユリちゃんとラブラブじゃん!(小声)」
ナナミ 「タクヤくんも男の子だから恋するのは当たり前だよ。」
ヒロト 「確かにな・・・・」
「今日のお昼休みにタクヤと深川さんが一緒に帰ってきてたよな。タクヤは普段一人で教室に帰ってくるのに・・・・」
ナナミ 「まいまいから聞いたんだけど男子生徒に無理矢理キスされそうになった時にタクヤくんが助けてくれたみたいで帰りも私を守るために一緒に帰ったらしいよ。」
ショウ 「タクヤらしいね。」
ヒロト 「タクヤは無愛想でぶっきらぼうに見えるけど本当は優しいからな。」
「じゃあ明日タクヤに聞いてみるか!深川さんが好きなのかどうかを!」
休憩時間が終了し、リュウ達は最後の練習であるシートノックを受けるためグラウンドに向かった。
つづく
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