ガーボンタ・デービス vs ライアン・ガルシア | R I N G C H E C K !

R I N G C H E C K !

打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。










プレス・カンファレンス → フェイス・オフ → ウェイ・インまで延々とトラッシュトークしまくり … 全世界が注目した今年上半期最大のビッグマッチ ( 今年は国内外ビッグマッチが多過ぎる ! ) ボクシングファンのみならずあらゆるメディアを巻き込んだスーパービッグマッチでしたが … 当ブログ的にはスター対決ではあるものの、 両者の間には明確な実力差がある、 と予想していた この試合。 WOWOW観戦。




▼ ガーボンタ・デービス vs ライアン・ガルシア







結果から言うとデービスの7RKO勝利。 エクトール・ガルシア、ロメロ、ピットブル、バリオス、サンタクルス、ガンボア、ウーゴ・ルイス、クエジャル、フォンセカ、ウォルシュ、ペドラザ … 錚々たる面子と戦ってきているデービスに対して、 フォルトゥナ、キャンベル、フォンセカくらいしか強豪との対戦をして来なかったガルシアとでは … やはり明確な経験値差〜実力差がありました。





1R目から冷静に丁寧に距離感・衝撃度計測を行ない、 2Rには早くも焦れて詰めて来たガルシアからドンピシャの左カウンターで痛烈なダウンを奪う … 以降もミドルレンジをきっちりとキープしながらガルシアの一挙手一投足に反応してカウンターを狙うボクサーファイタースタイルで試合全般を完全支配。













背が低くリーチの短い選手の方が 背が高くリーチの長い選手に対して ミドルレンジで優位性を保つ … という試合が近年アマでもプロでも数多く見掛けられ、 実際 自分も非常に重点を置いて研究してきました。 デービス 身長166cm リーチ171cm、 ガルシア 身長178cm、 リーチ178cm … 普通ならリーチの長いガルシアの方がリードを突きながらアウトボクシングを興じそうなのですが … 展開的にも逆だし、 明らかに優位性を保っているのもデービス。





余り多くは語りませんが、 リーチの長い選手がミドルレンジをキープして、 相手の飛び込みアタックに対して腕を丁寧に畳んでカウンターを打つよりも、 リーチの無い選手が ( 自ら飛び込んで来てくれて勝手に距離を合わせてくれた ) 相手に対して打つカウンターの方が、 腕の伸曲調整をせずにフルスイングで合わせ易いという利点があり、 また今回のように それがドンピシャでハマる試合も少なくないのです ( 無論ハマらない場合もありますが … )





※ 但し この戦術を取る場合、 背の低い方の選手は、 背の高い選手のリードに対して 何かしらのリード対応が必要となり … 例えば今回のデービスのような軸変での左ストレート、 左ロングアッパーといったミドルレンジを一気に潰す長距離砲、 或いはクイックネスを活かしたカウンター予備動作フェイントの多用、 加えてボディワーク、 フットワークを駆使してのイン/アウトの速さ、 こういった要素は 背が低い選手が この戦術を取る場合には必須要項となります。





ラスト、 決定打となったデービスの左ボディショットは、 ガルシアの左フックではなく、 右フックに対するカウンターだったので ( デービスは逆手ガードが取れなく ) ジャンケン的にはガルシアの右フックの方に優位性があり 打ち勝つはずなのですが … 前述した通りの距離の妙があり、 カウンターとしての精度はデービスの左ボディショットの方が高かった … 加えて右フックを放ったガルシアのレバー周りはあまりに無防備で筋肉も伸び 肝臓を守る層も薄かった … そうした複合要素が重なっての あのダウンシーン … ( 元からレバーを痛めていたという噂もあり ) … それにしても パンチ、 ガード、 カウンター、 ボディワーク、 フットワーク、 レンジ、 クレバネス/ボクシングIQ … 全く隙が無い。 まさに 今 デービスの全盛期です。













◎ 結果:デービス 7R KO勝利