キッド・ガラハド vs ジェームス・ディケンズ Ⅱ | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
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当ブログ管理者が こよなく愛する “ 達人系 ” ボクサーファイターの長、 キッド・ガラハド。 2年前に挑戦したIBF世界タイトルマッチは2-1のスプリットで惜しくも届かず … 今回、 そのガラハドの挑戦を退けた ワーリントン が返上し空位となったIBF世界タイトルを巡り、 かつて一度拳を交えたディケンズ ( リゴンドーとの試合などで日本でも有名 ) との、 ガラハドにとって2度目の世界タイトルマッチ。





▼ キッド・ガラハド vs ジェームス・ディケンズ Ⅱ







イングルジム 所属のガラハドですが、 ハメドのようなフリーキースタイルでも、 ブルックのような堅実なスタイルでもなく、 基礎はしっかりしていながら 力の抜けた合気道の達人のようなボクシングをします。 とは言ってもハメドのようなド派手なムーブメントは ほとんど無く、 観客視点だとエキサイティングなボクサーには見えないかもしれません ^





具体的に言うとオンガード高めでスタンスはロー&ワイド、 骨盤設定中立で、 スイッチを多用し序盤は必ず喧嘩四つを選び狙って前足を踏み続ける。 遠距離はアマのキューバチームのような多軸動作を見せ、 後ろ手の二軸パンチをコツコツ当てる事が出来、 接近戦では腕を降り畳んだ細かいボディを集める ( こちらもシューシャイン系の軽い回転で飽くまでもコツコツと削るスタイル … )





ガラハドのボクシングは、 ディケンズのような正直者のサウスポーにはドハマリします ^ ディケンズは序盤から徹底的に前足を踏まれ、 その状態でジャブを被弾 … 早くも距離設定されてしまいます。 ディケンズ自慢の強打もガラハドは絶妙に小さくバックステップして殺します。 ガラハドは その位置からも多軸動作が行なえるので、 簡単に後ろ手のストレートが届きます。













途中リズム良くディケンズが攻める場面もありましたが、 ほとんどのRでガラハドが中間距離/近距離共に支配する形になり、 スイッチを繰り返すガラハドにディケンズは付いて行けない。 近距離やクリンチ際の超接近戦でもガラハドは自分だけが安全なポジション取りに優れ、 ディケンズだけが頭も肩も当たってしまう場所を常に確保。 一見すると分からないのですが、 良く映像を見てみると、 際の部分で軽いバッティングなどダーティに当てているのが分かります … ^ … そういった部分も含めて達人系だなぁ、 と … 。





こうしたインサイドワーク含めて、 ガラハドの集大成と言えるような試合だったのではないでしょうか。 プロキャリア11年目にして、 初の世界タイトル戴冠、 単純にファンとして嬉しいですね。 王者同士としては かつての同門で、 現在もイングル直系ハメドスタイルを信条としているWBA王者 リー・ウッド ( こちらも先日 シュー・ツァン から劇的な戴冠 ) この元同門対決も面白いし、 コンラン との試合なんかも面白くなりそうです。 ナバレッテサンタクルス という二大メキシカンとは相性が微妙ですが、 スタイルウォーズとしては かなり興味深いです。






▼ IBF世界タイトルを獲得したキッド・ガラハド!







◎ 結果:ガラハド 11R RTD勝利