二週間前のロシア RCC 主催興行より。 不当判定の声が挙がっていた 金子選手 vs マリコフ ( ボクシング ) をチェックしようと思って、見てみたらビックリ … 。
この興行、レベデフ vs フラガナンをメインに、プロボクシングの日露対抗戦だけでなく、石井慧選手、濱岸正幸選手がロシア強豪と相まみえるMMAマッチ、そしてムエタイマッチまで組み込まれたメガミックス興行だったんですね … 。
全試合チェックさせて頂きました。その中で私が特に気になったのは、このムエタイマッチ。
▼ ウラジミール・クズミン vs 真島一馬
アマチュアムエタイ で良く見掛けていたロシアの若き天才、 ウラジミール・クズミン 、 プロデビューしておりました ( スーパーライト級 )
まぁ ~ 強いです。
まだ若く線も細い印象ですが、スピードもパワーも十分且つ美しい蹴り・パンチ・ヒジ・ヒザ … 。フットワークはナンバのような二軸で交互にステップを踏み、着地足の位置によってオーソドックスとサウスポーをナチュラルに使い分ける。ピボットで引いた足はそのまま蹴りのテイクバックとなり、ヒザやハイがほぼモーション無しで襲ってくる。身体の細さとは裏腹に真ん中に筋の通った体幹軸は崩れる事なくズ太い。抜群の距離感で遠距離近距離の武器の使い分けも見事 ( 特に接近時 腕を巧みに折り畳んでコンパクトに放たれるヒジは素晴らしい )
実力差は明白、それ以前に、首相撲に対応出来ない状態で挑むべき相手では無かったのかもしれません。
クズミン … 戦うルールは違えども 既に チンギス・アラゾフ の如き緩急自在なキックボクシング観を持ち合わせているようにさえ感じます。
ボクシング、MMAの試合の間に組み込まれたムエタイ/キックボクシングのこの試合、十二分なインパクトを観客に与えておりました。
日本の興行を観戦していて安本選手等の俊英選手達の所作を見ていても感じますが、その卓越した空間把握能力、自身の位置取りによって左右構えを問わない戦術幅、匠の如き攻防緩急の付け方 … キックボクシングもトップアマ上がりの技術レベルが世界中でとんでもないことになってきていると感じます。