ポーター vs ブルック  -  戦前予想 | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。



IBF世界ウェルター級タイトルマッチ、
無敗のポーターと全勝のブルックの米英対決!!


自分にとっては ガンボア vs クロフォード に匹敵する
めちゃくちゃ楽しみな試合です。両選手とも本当に好きなんで。







ハードパンチャー対決ですが、両者共に
全く質の違うパンチを持った素晴らしい組み合わせ。


正直、今回もまた予想が非常に難しいです …
下馬評ではやっぱりポーターが有利のようです …


IBF世界ウェルター級現王者、ショーン・ポーター


通常体重80kgから落とす圧倒的フィジカルと
あの超人的な瞬発力/クイックネス。


ロングレンジを一気にゼロにするダッシュ力に、
クロスレンジに入ってからの強烈なフック連打。


( ※ 以前書いたポーターの練習記事 も合わせてどうぞ )


↓ デボン・アレクサンダーに強打を捻じ込んでいくシーン。











マイダナを完封し触れさせずに下したアレクサンダーに対して、
あれだけの強打を当てる事が出来る当て勘の高さも特筆すべきで、
ヘッドハンターとして世界トップの高い能力を持っています。


写真2枚目のように右脇を大きく開けて右肘を上げたままの
ジャブの連打で相手の懐に飛び込むシーンもよく見掛けますが …
( こういうワイルドなシーンが日本人ファンに嫌われる所以
なのでしょうけど、個人的にはこの入り方、なんとなく
タイソンを彷彿とさせて好きなんですが … )


歩幅を一気に大きく取る前進のフットワークに
このジャブを2~3発同機させて中に入る。


そこからのフック連打はやや大味ながら
圧倒的パワーを秘めたもので、クリンチに近いような
際の場面でもナックルを上手く返して隙間に捻じ込んできます。


ポール・マリナッジをロープ際に押し付けながら
連打を捻じ込み病院送りにしたシーン は
今思い出しても衝撃シーンです。



▼ ショーン・ポーター vs ポール・マリナッジ




パワフルでスピーディなオフェンス、
加えて倒し切る説得力があり分かり易い強さを提示してくれる。


ショーン・ポーターがアメリカで大人気なのも当然でしょうね。






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対して、指名挑戦者の ケル・ブルック


以前、このブログで特集した イングル・ジム 所属で
同ジム所属の選手としては現在最も高いランキングにいます。


勿論イングル・ジム所属ですから、ハメドの後輩となる訳ですが、
ボクシングスタイルに関しては変則的要素は低く、
どちらかといえば堅実で、スイッチもしませんし、
ディフェンスにもブロッキングを交えますし、
しっかりとしたジャブを突いて試合を組み立てていくので、
正統派のボクサーファイタータイプに近いですね。


足は追うでも逃げるでもなく、
相手が出れば引き、下がれば追うという、
これはハメドをはじめとする
他のイングル・ジム所属選手と同じ使い方。


そして、余り語られる事がないのですが、
ケル・ブルックの特筆すべき点は、そのパンチの質。


ポーターのような瞬発力や重さはないのですが、
ケル・ブルックのパンチはとにかく ソリッドで硬い!!











試合中、ジャブの刺し合いの展開があっても、
必ずブルックのジャブの方が相手の顔面に深く刺さりますし、
スローで見ると、拳が全くブレずにジャブが伸び切ってますし、
ガードを破って相手の顔面が変形するほどしっかりと届いて、
確実に効かせて削っていけるパンチを打ちます。


上のアッパーの写真を見ても、ガードを貫く硬さがある訳ですが、
その上、ガードの隙間を的確に縫う打ち分けも巧みなので、
オフェンス能力は非常に高いものがあります。


重さはなくともキレのあるソリッドなパンチで、硬い。
それこそ先日ガンボアを下したクロフォードのようなパンチです。


対戦相手はブルックのソリッドで硬いパンチを浴び続け、
試合中盤までには顔面を変形させられ、
中盤以降のKO負けを喫します。


↓ ブルックの魅力が詰まっていた去年のセンチェンコ戦。



▼ ケル・ブルック vs ビチェスラフ・センチェンコ




かつて佐々木基樹選手を完封し、
リッキー・ハットンを引退に追い込んだセンチェンコ。
マリナッジに1敗を喫したのみで戦績は35戦34勝。


しかし、ブルックの前ではその実力も発揮する事は出来ませんでした。


序盤からジャブの刺し合いで、ブルックの槍のような硬いジャブを被弾し、
ダメージを重ねた所に、ジャブから被せの右ストレートでダウン!!


なんとか立ち上がったセンチェンコ、
次ラウンドには意地の右フックでブルックをグラつかせますが、
ブルックは冷静なボディワークとクリンチワークで立て直し、
ラストも強烈な右でセンチェンコをストップしました。


やはり ブルックのパンチは並じゃないです!!


まともに入れば例えポーターでも大きなダメージを負うでしょう。


しかし、ブルックにはディフェンス面での不安もあります。


これまでの試合を見ていると
デトロイト気味に左ガードを下げた構えを取った瞬間に
相手の右を被弾する場面もよく見掛けます。


センチェンコが意地で放った右フックが
ポーターの右フックであったら試合はどうなっていたか?
ポーターならブルックがグラついた一瞬を見逃す事はなかったでしょう。


個人的な予想としては、ポーターが、
ブルックのジャブが届く範囲から完全に外れた位置を取り、
そこから自らのジャブを散らし瞬発力を生かしたスピードで出入りし、
パワフルなパンチでペースを取るような気がします。


ブルックのパンチの距離を
徹底して作らせない作戦で来ると思うんですよね …


という事で … ポーターの判定勝ちと予想します … ( つまらん? )


いずれにせよ、間違いなく世界トップレベルの
スリリングなボクシングが見れる事は間違いなさそうです。


震えて待ちましょう!!