ライブ本編では最後の衣装チェンジ




今日はあまり笑えてない。

ファンの人たちを心配させてるんだろうな、今の私は。




次の曲、こんな状態じゃ歌い上げる自信がない……

今の状況にハマりすぎていて……

でも、歌うことで感情がリンクしてすこしは楽になるのかもしれない。




気持ちをなんとしても入れ替えようと必死にもがいていたら優しい声が頭にすっと入ってくる




日「泉?大丈夫?」




「光啓……どうしても笑顔が作れない」




日「辛いよな……もう少し頑張れるか?」




「……次の曲、泣いちゃうかも」




日「無理に笑顔なんて作らなくていい、泣いたっていい、声が出ないなら無理に出さなくていい……みんながカバーしてくれる。」




「光啓……」




日「7人もいるんだ、甘えていいよ」




そう言って肩を抱いてくれる光啓の言葉には不思議なパワーがある。

こんな負の感情しかない今の私を丸ごと包み込んでくれる




彼の温かいハートにまた泣きそうになる








ねぇ 雪の上に刻んだ足跡はまるで

そう時と共に消えてゆく愛しさのようで

ねぇ2人で描いてきた思い出の日々が

そう永遠に続くなんて思い上がりだね

叫び声は風に消えてゆく

触れてみても冷めた感触だけ

その名前を何度も呼ぶよ

いつか君に届く時まで


涙のない世界があるのなら

今更でも君と行きたい

幻覚でもただの夢でもいい

もう一度あの日の君に微笑んでほしい






歌っていて涙が溢れてきた

それに気づいた光啓がラップ部分を歌いながら隠すように私の前に立つ




直也くんもさり気なく私を後ろに下げてくれる




I’ll be there…

Forever…

君を包む風のように




歌詞に乗せて涙が出ると少しすっきりしてそのままソロパートを歌うことができた

宇野ちゃんが私と同じメロディーを歌ってくれて千晃がカバーするようにハモってくれる……





途中涙してしまったけど最後まで歌いきった。

心なしかメンバーみんなほっとしたような顔つきに思える。




ここまで来れば大丈夫だ。

もう、これ以上ファンやメンバーに悲壮感漂う顔なんて見せられない……頑張ろう




せめてこのライブだけでも、頑張って乗り越えなきゃ来てくれた人達に申し訳ないよね。



















浦「今日はどうも……「「ありがとうございましたーーっっ!!!」」







京セラドームの公演がなんとか終わった。

終わって舞台袖に移動するなり宇野ちゃん始めメンバーが勢いよく抱きついてきた





宇「泉よく頑張ったねー!」




浦「MC1回休んじゃったけどちゃんと2回目はいつも通り出来てたよ……ほんと、辛いのに頑張ったな」




西「日高ナイスやったな」




日「だろ!?愛しのいずみんの泣き顔はそう簡単には見せません( •̀ω•́ )✧」




末「そっちかよ(笑)」




伊「え…だっちゃん優しい♡って思ったのに単なる独占欲だったの!?

キュンキュンを返せっ(。 ー`ωー´)」




日「何~?ちぃちゃんキュンと来たわけ?」




伊「うるさいっ////」 




與「もーみんなふざけてんとはよ戻るで」





いつも通りのみんなのわちゃわちゃがまだザワつく心を和ませてくれる。





着替えや来客などが終わって、打ち上げをすべくスタッフさんとともに移動する




大きな仕事が1つ終わり安堵感と同時にまた負の感情が湧いてくる




俯く私の手をずっと握っていてくれる光啓……

彼の手の温もりが今は唯一の安らぎ





でもこの安らぎを今は私から求めちゃいけない……

吉澤くんの苦しみに背を向けてしまった私は、この苦しみから目を背けちゃいけないんだ……