やり直したいこと。
正直やり直したところで、自分が真に望む人生は手に入らないから難しい話だ。

この記事から私のブログを見た方に自己紹介をすると、私は戸籍変更済みの性同一性障害(FTM)の当事者で普段は埋没して生活している。
今は最後のSRS(性別適合手術)に臨むべく準備をしているところだ。

SRSは早めに行った方だけど、今行ってる手術はもう数年早くてもよかったかなと少し思ってる。
ただ、自分自身の人生と向き合えない時間が長くて決断が遅くなってしまったから、きっともっと根本的なところからやり直す必要がある。

やり直したいと望んでいて、その気になればこれからやり直せることといえば大学受験だ。

私は大卒ではあるが、受験した当時から卒業した学部の偏差値がガタ落ちしてしまった影響もあって、結構偏差値的には低めの部類だった。
しかも、満足に人間関係を築くこともできず、つまらない大学生活だった。

自慢ではないが、本来の私はそこそこ勉強が得意だ。
個人の特定を避けたいので具体的なエピソードは避けるが、中学受験では準トップ校くらいの学校の合格を掴み取っている。
受験勉強の期間も一般的なものより短かったが、受験戦争には勝利した。
思えば、あの時が一番自分の人生を謳歌していたように思える。
自分の輝かしい未来を信じて、人より優れていたいと願って努力していた。

しかし、中学生の頃に性同一性障害(FTM)であることが分かり、そのまま今に至るまで自分の人生に対する前向きさが戻ることはなかった。
大学受験も、模試などで性別欄を記入することや、女子大を選択肢として提示されることが不快で仕方なかった。
もう10年以上前の話なので今は変わっているかもしれないが、極めつけとしては第一志望の大学に「男子学生としての受け入れは難しい」と言われたことだった。
その時点で私の戦意は完全に喪失していた。戸籍変更ができる年齢を待つかも考えたが、本当にもう何もしたくなかった。
それでもセンターレベルの勉強はできていたから、センター試験だけで入れて学ぶ内容が面白そうで、私を男子学生として受け入れてくれる大学を選んだ。

妥協に妥協を重ねた大学進学を、甘えだと思われるかもしれない。
それでも当時の私には逆境に立ち向かう勇気や気力がなかった。

有意義な大学生活を送れたならまだしも、研究室ではパワハラを受けて鬱状態になって新卒で正社員に就職できなかったりと、お世辞にも良かったとは言えない。

簡単に言ってしまえば、学歴コンプレックスを抱えている。
間違った体で生まれてきた自分の存在が基本的に心の底から嫌いだが、唯一自分の好きなところは割と勉強ができるところだ。
それなのに、それを発揮できる機会であった大学受験でほとんど何も頑張らなかったことを強く悔いている。

何度か大学を再受験することも考えている。
ただ、よしんば望みの大学に入学できたとして、勉強したいことが具体的にあるわけではない。
それより今の仕事のスキルアップを目指して勉強するほうが生産的に決まっている。

本当に再受験すべきなのかは、これから考えていくが、自分の好きなところを自分で大事にして、可能なら他者に褒められて必要とされるような環境に身を置けるように努力したい。

やり直したいこと

 

 

 

 

 

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