World Mosquito Day 通称世界蚊の日
1897(明治30)年8月20日、イギリスの医学者で細菌学者でもあったロナルド・ロス博士が
R・ロス羽斑蚊類の蚊の胃の中からマラリアの原虫を発見したことにちなんで記念日が設けられております。
人に感染する寄生虫症の一種で· 熱帯熱· 三日熱といった重い症状を引き起こす感染症。
古いイタリア語のイタリアmal aria悪い空気に由来しております。
この発見により
R・ロス羽斑蚊がマラリア感染症を媒介している事実を突き止めたロス博士は、以後のマラリア感染症予防に大きく貢献した功績が讃えられ1902(明治35)年にはノーベル生理学・医学賞を受賞しております。
8月20日は世界的にも
World Mosquito Day 通称世界蚊の日
としてマラリアに関する予防知識に関するのイベントが開催されております。
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マラリア
世界で年間2億人が感染する蚊媒介感染症
●マラリアの流行状況
マラリアは、蚊(ハマダラカ)に刺されることで感染する疾患です。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行し、世界保健機関(WHO)の2016年の推計によると、2015年1年間の新規患者は2億1200万人、死者は42万9千人とされています。世界的なマラリア対策の取り組みにより、発生数、死者とも減少傾向にありますが、結核、エイズ(HIV)と並ぶ最大の感染症の一つです。
日本では、現在のところ国内で感染した例は報告されておらず、流行地から入国した人や帰国した旅行者からの輸入感染例のみで、年間40~80件の報告があります。
●病原体
病原体はPlasmodium属の原虫で、ヒトの病気の原因となるのは、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、 三日熱マラリア原虫(P. vivax)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)の4種類です。
●感染予防
蚊に刺されないこと
マラリアを媒介するハマダラカは、日没から夜明けの時間帯に活動するため、この時間帯の外出は避けましょう。(デング熱などを媒介するネッタイシマカは市街地のたまり水で生息可能で、日中でも活動できますが、ハマダラカは川の沿岸など澄んだ水を好み、日没以後、夜間に活動するという違いがあります)
流行地域では、蚊に刺されないようにすることが必要です。長袖・長ズボンの着用、昆虫忌避剤の使用などを使用します。 忌避剤は、海外製の高濃度のものを使用すると効果的です。
また室内では、エアコンを付け蚊の侵入を避ける、蚊取線香又は電気式蚊取器を使う、蚊帳を使用する、などして蚊を防止しましょう。
予防薬
医師の処方により、予防薬を飲む方法もあります。しかし、予防薬を飲んでいても100%感染しないという保証はありません。流行地域では、蚊に刺されないように予防しましょう。
●症状
発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛などです。
熱帯熱マラリアは重症化しやすく、死亡することも多いので、初期症状を見逃さず、入院治療が可能な医療機関を受診することが大切です。流行地域に渡航する際は、受診可能な医療機関を把握しておくことが必要です。
●治療
マラリアに対しては抗マラリア薬があり、薬による治療が可能です。早期診断と早期治療は流行及びマラリアによる死亡の抑制に有効な対策です。
一方で、抗マラリア薬に耐性を示すものも報告されており、薬剤耐性マラリアへの対応は課題となっています。
●感染症法に基づく取扱い
4類感染症に指定されていて、症状や所見及び病原体・血清学的に診断した医師は、直ちに最寄りの保健所にをすることが義務づけられています。
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ハマダラカ
ハマダラカ(羽斑蚊、翅斑蚊)は、カ科ハマダラカ亜科ハマダラカ属(学名: Anopheles)に属する昆虫の総称である。
世界におよそ460種が知られている。そのうちおよそ100種がヒトにマラリアを媒介できるが、一般にマラリア原虫をヒトに媒介しているのは、そのうちの30 - 40種である。ハマダラカで最も知られている種は、マラリア原虫の中でももっとも悪性である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)を媒介するガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)である。マラリア蚊とも。
ハマダラカ属の学名(Anopheles)は、ギリシア語の an (英語で not の意)と óphelos(「利益」の意)からきており、「無益な」を意味する。また、「ハマダラカ」という和名は、翅に白黒のまだら模様があることに由来している。
ハマダラカの中には、犬糸状虫(Dirofilaria immitis)や、フィラリアの一種であるバンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、マレー糸状虫(Brugia malayi)、オニョンニョン熱を発症させるウイルスの媒介者となるものもいる。また、別属のカのなかま(ヤブカ属、イエカ属)もこれらのウイルスの媒介者となることがある。