物心ついたころやってた再放送で知り、高校の時ハヤカワ文庫SFで読めると知ってハマり、ネクストジェネレーションにあまり馴染めず、小説『ジェネレーションズ』と映画『ファースト・コンタクト』で止まってしまった単なる『スタートレック』もとい『宇宙大作戦』ファン。
そんな思い入れだけがある私にとってアタリハズレの振り幅がデカいのを承知の上で観てきました『スター・トレック』@池袋東急。
オリジナルシリーズのキャストを全とっかえで、リメイクではなくアナザー・ビギニング的な作品でした。
えー、原作知らなくても大丈夫だとか、良く出来たスペオペの王道だとか、そんな綺麗事など云いますまい。この映画はすべてのトレッキーと『スタートレック』並びに『宇宙大作戦』ファンの物でした。この作品で初めてシリーズに触れて「面白い」と思っちゃった人が可哀想です、何百倍も笑える小ネタが練り込んであるというのに判んないだなんて!
初めてオリジナルシリーズに触れた人が間違い無く違和感を覚えるであろう所はカークがなし崩しに良い扱い受けるとこ並びに60年代アメリカンテイストバリバリの問題解決方法でありましょう。
ところがコレ、現代の感覚には少々合わない「ヒーロー強くて正しくて、必ず成功する」43年前に始まったこの作品の象徴とも云えるカタチなのです。楽天的で脳天気な未来(国境人種貧困エネルギーなどの問題は理由判らないけどすべて解決してるのだから)で勧善懲悪物語を展開する、そこをちゃんとリメイクしてくれてることが嬉しいですね。『宇宙大作戦』はこうでなくちゃ。
確かに、ヴァルカン人は人間の倍時間かけて成長するはずだとか、ウフーラ綺麗だけど痩せ過ぎで黒目デカくてグレイに見える角度があるとか、スールーはフェンシング得意のはずなのにニンジャみたいな立ち回りをするのはなんでとか、スポックの顎のラインがバナナマン日村にそっくりとかツッコミ所は多々ありますが、そんなのはむしろご愛嬌。カークが女好きの田舎者で薬物アレルギーだとか、スールーのファーストネームがヒカルであるとか、スコッティがマンガみたいな天然であるとかと同様にニヤニヤポイントとして昇華しちゃってます。
かのアイザック・アジモフをして「安心して観られる唯一のSFテレビドラマ」と云わしめたシリーズ、元々ボディがちゃんとしとるんですね。更に43年分の振りが利いてるから粗をあげつらう前にニヤニヤポイントがやって来ちゃう(^^)
強いて残念な部分を挙げるならチャペル看護士とランド甲板員が居なかった事。ま、ストーリーからいくと出る場所無いんで仕方ないのですけど。
今更ニューカマーに向けてコメントなど出しません。トレッキー並びに『スタートレック』『宇宙大作戦』ファンの方々、ネタの一つひとつにニヤニヤしながら、今後の展開を確認する為にこの作品は観ておくことをオススメしときます。
そして絶対泣けるラストシーンにやっつけられてしまえばいいと思う。
以上、書き忘れていたけど『ネタバレ注意』はもう遅いな^^; えんどうたいと でした♪