【コラム】共存か対立か
タイトルは重々しいが、批判的な感情は全くなく、あくまで軽ーいタッチの内容として読んで欲しい。
先日「足利花火大会」に行ってきた。ここ数年自宅の窓から眺めるだけだったが今年はどうしても現地に行きたかった。それは花火の前に行われるドローンショーをリアルに見たかったからだ。
テレビなどで見たことはあったが今一つその凄さがわからない。多分北極で見るオーロラと同じで映像では実感することができないのだろう。
午後7時15分ショーが始まる。
「東京ディズニーリゾートⓇ・スペシャルドローンショー“マジック・イン・ジ・エア”」
夜空に浮かび上がる巨大なミッキーマウス。しかも左右に方向を変えるという立体感。
もう何もかも衝撃であった。初めてエレクトリカルパレードを見た時のように心が震えた。
次々と現れるディズニーキャラクター。そして最後に「Thank you」の文字と「TOKYO Disney RESORT」の文字とロゴマーク。
ここで思いを馳せたいのは「花火師」である。
夜空に色とりどりの大輪の花を咲かせることができるのは花火師のみができる特権であり誇りでもあると思う。仕掛け花火では地上に櫓(やぐら)を組み導火線を這わせて花火で文字やロゴマークを演出する。時には1文字だけ火がつかなくて観衆がざわめき花火師が火の粉をくぐって直接点火しに行くというハプニングもまた一興。最近では打ち上げ花火でもハートマークやスマイルなどイラスト的なものまである。
かたや夜空に描かれるドローンを使った完璧な絵や文字。
この先ドローンショーが花火に置き換わることはないだろう。しかし目の前であのドローンショーを見た花火師は少なからず複雑な心境であったに違いないと思う。
このコラムはそんな花火師が「チェッ」という思いをしているんじゃないかなー、て思っている観客もいたことを伝えたいだけの独り言。
最後に一言。隣で見ていた若女将はドローンショーの時「すごいすごーい」と心から感心はしていたが、花火大会のフィナーレのスターマインで感動して涙ぐんでいたことを花火師の皆さんにお伝えしたい。