長崎市郊外のN宅を出て、とりあえずホテルにチェックインをして、駐車場にマイクロバスを停めます。

これで、この日のドライバーとしての役割は終了。

いくらでも酒が飲めます。

みんなで連れ立って中華街辺りをぶらぶらします。

来週からランタンフェスティバルなるものが行われるようで、街中にはたくさんのランタンが飾られています。

きっと綺麗なんでしょうが、団体客としては、今週でよかったということなのかもしれません。

これから、Nくんファミリーの他、彼の恩師である長崎北陽台高校のU総監督をお招きしての食事会です。

そうなんです。

まだランチの時間なんです。

会場は『バラモン食堂』というお店。

名前からすると大衆的なB級酒場なのかと思っていたらさにあらず。

とても綺麗なお店でした。

Nくんに献杯してからの食事会。

もちろん法事のような会でもあるものの、やはり久しぶりの仲間もいたりするので会としては和やかなものになります。

私としても、妙に湿っぽくなるよりも、これでいいような気がしていました。

しかし、会の中盤にNくんのお父さんのスピーチがあってからは雰囲気が変わりました。

お父さんのスピーチの要旨を少し書きます。

息子は1月20日生まれ。

そして、命日は1月30日。

家族としては、この1月を乗り切れるのかと思っていましたが、皆さんが来てくれることになり、これがあるからなんとかここまでやってくることが出来ました。

彼は、いつも辛い方辛い方を選んで挑戦して来た、そういう男でした。

彼を失って悲しいというよりも悔しくて…

幼少期からラグビーを始め、高校では全国ベスト4になり、一浪して早稲田に入りラグビー部へ。

4年時にはラグビー部の主務という激務をこなしながらプレーヤーとしても活躍していました。

早稲田の何年か前のスローガンに『tough choice』というものがあったように記憶していますが、実の父からいつも辛い方を選んだ生き方だったと言われる漢。

かっこよすぎるぜ！

私は、ドラマや映画、スポーツなんかを見ているとよく泣くんです。

でもリアルな場面では中々泣きません。

なぜなんだろうといつも思っていました。

でもこの日はダメでした。

会の最後に、全員でクラブソングを歌い、やはり主務としてクラブを支えていたIくんが、エールを送りました。

Give three cheers for Taishi Nagayama & Waseda Club!

これを聴いてお父さんが号泣している姿には完全にやられました。

今、思い出しても涙が溢れそうです。

この日も、ワセクラの監督として最初のスピーチをしてくれたG監督が寄せ書きに書いた言葉にもやられました。

Gさん、強面だけれど、優しいんですよね。

クラブの後継者の1人としてもNくんに期待していたんだろうなぁ…

旅は続く…