地元の消防団に所属しています。
商売をやっていたオヤジは、そういうことには興味がなかったようで、
「息子の代になったらやらせます」
と入団を誘ってきた近所の酒屋さんに、私の意見も訊かずにそう応えていました。
家から歩いても行ける会社に転職したのは30歳のとき。
それから5年ほど経った時に、観念して消防団に入りました。
入ってみると近場にも尊敬出来るひとがたくさんいることを知ることにもなり、悪いことばかりではないなあと思っていました。
消防団としては、もちろん火災や水防などで呼び出されたり、年末の警戒があったりもしますが、行事として大きいのは消防団操法大会というものがあります。
その大会に向けては、結構な日数の訓練をせねばならないということもありますが、消防技術の向上を感じたり、団の結束が強まったりと、これもまたこれで悪いことばかりでもないと思うのです。
そんな中にあって、これってなんのためにやっているの?
と訊きたくなるような行事もあるんです。
合同点検ってやつです。
区内の3つの消防団が集まり、行進したり放水したりする様を、来賓の皆様に見ていただくという行事なんですが、これがなんというか冗長な感じなのです。
やけに早く集まって予行をしたりするのも大変ですし、しかも披露したとしてもなんというか操法大会のような高揚感もないのです。
若い頃はこの行事が嫌いで嫌いでたまりませんでした。
なんでこんなに早く集める必要があるんだよ・・・
なんてぶつぶつ言いながら、嫌な時間を過ごしてきました。
齢を重ねてくると、同じ行事も違った見え方がしたりするものです。
今でも本質的にはなんだかなあと思わないでもありませんが、消防団のために働いてくださっている役所や議員そして消防署員の皆さんに、少しは頑張っているんですよってことを披露し、じゃあまた応援してやるからなと思ってもらわねばならないってことなんだろうと納得することにしたのです。
私も大人になりました。苦笑。
そして、先人として若い団員には、
「イライラしちゃいけないよ。この行事は、こういうもんなんだよ」
と伝えています。
行事の最後の一斉放水。
これはこれでいいもんです。