菩提樹のお茶 Lípový čaj | チェコ料理のブログ

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菩提樹のお茶 Lípový čaj

チェコの国の木は、伝統的に菩提樹とされています。初夏に咲く菩提樹の花はとても香りがよいです。その花を摘んで乾燥させると菩提樹のお茶になります。

 

菩提樹のお茶は、気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる効果があるため、夜、安眠を得るために飲むお茶ともされます。子供にも安心して飲ませることのできるお茶です。

 

チェコの知人にこんな話を聞いたことがあります。子供の頃、仕事の忙しい彼の両親が、彼をよくおばあちゃんの家に預けたそうです。おばあちゃんの家では、よくおばあちゃんが菩提樹のお茶を入れてくれて、とてもおいしかったそう。

 

おばあちゃんは両親の家に帰る彼に菩提樹のお茶を持たせたそうです。でも、お母さんの入れてくれる菩提樹のお茶はおいしくなくて、お母さんも不思議に思い、おばあちゃんにたずねてみました。「子供がちっとも菩提樹のお茶を飲まないのだけど?」

 

なんと、おばあちゃんは子供の飲む菩提樹のお茶にラム酒を少し混ぜていたそうです!!!!おばあちゃんはお母さんにかなり叱られてしまったそうです(笑)。確かにラム酒は香りがいいですものね。ラム酒の入っていない菩提樹のお茶はカモミールティーのような優しい香りがします。

 

日本でもハーブティーの一種として菩提樹とか、リンデンのお茶という名前で売っているものなので、興味があったら試してみてくださいね。


ユリウス・ゼイエルというチェコの19世紀の文学者のプラハの旧宅に行った時の写真です。

中央にある、鏡がのっている調度品は何だと思いますか?
チェコ語で「カムナ」と言われる暖房器具で、釉薬のかかったきれいなタイルで作られています。チェコでお城に行くとよく巨大なカムナに出会います。昔の暖房器具です。バロックスタイルやロココスタイルのカムナは見ているだけでも楽しいです。

フランスやイギリスでは、その場で直接火を燃やす暖炉を使いますが、チェコでは、このカムナが使われてきました。セントラルヒーティングのようなもので、壁の裏側の離れたところで火を焚き(ボイラーのように)、その熱で家や城の中のいくつかの部屋を温めます。

多分、比較的お天気の変わりやすい海に面した国では暖炉形式で対応し、チェコのような内陸の国では、このカムナが発展してきたのではないかと想像しています。部屋が常にじんわり温かいように。