面白い特小 | 中年ブロガーとその生活

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運転免許に続き、ついにJN1WFSの局免が失効してしまった

特定小電力無線は、かれこれ30年超になる無線システム。

用途は無線電話(トランシーバー)だけでなく、計測器や機械制御などにも使用されますが、ここではトランシーバーのお話。


この30年の間で規格も細かく変化して来ました。


特小は、実用域としては市街地で300~500mくらいの小ゾーン向けです。平地の丸腰ではほぼほぼ非力です。

それでも今日、連絡手段としてのトランシーバーの主流の地位を獲得しました。


現在は一般民生用では中華系を除くと5社くらいが販売を行っていますが、特小といえば、アルインコ、アイコム、ケンウッドの3社が主流です。


今回はアイコムの新製品で面白いシステムを発表してきたので、紹介いたします。


まずはトランシーバー。IC-4400/4400L。
アイコムのトランシーバーはどれも同じようなスタイリングですが、こちらも例外ではなく、一見して前モデルのIC-4300と見分けがつきません。
ところが、中身はけっこうグレードアップしてます。

まず、外観の大きな違いは、このボタン。
多機能割り当てボタンで、色々な機能を割り当てることが出来るボタンですが、主にセカンドPTTを割り当てるようです。
2波同時に待ち受けて、メイン/セカンドPTTでいずれかのchへ送信します。

2個のトランシーバーを持っているような使い方ができるのです。
この機能は下位グレードのIC-4310にもあります。

さて、本日の本題。IC-RP4150W。
屋内専用中継器ですが、この装置が、IC-4400を際立たせます。
基本機能はただの中継器(レピーター)で、中継用27chを実装した全てのトランシーバーに対応します。

このレピーターの面白いところは、LANとLTE4G回線に接続して、ネットワークを中継させることが出来ることです。
LANのみ接続なら閉域網内に、LTE(専用SIM要)に接続すればグループ内のレピーター設置拠点全域(全国)と交信が可能になります。

レピーターは閉域網内に最大5台接続できます。
閉域網と言ってもVPNも可能なようなので、例えば全国に広域VPNを敷設する企業なら全国拠点で通信できます。


メインPTTに自分のいるローカル拠点を割り当てて、セカンドPTTに全国共通チャンネルを割り当てるという使い方ができるわけです。

簡単に言うと、このレピーターが複数台あれば、それにぶら下がるトランシーバーをすべてIPトランシーバーのように使うことが出来るのです。
(このシステムはIPトランシーバーを接続させるオプションもあります)

今のところLAN/LTEを経由させられるのがIC-4400のみなのです。
4400は定価が2万せず、前機種とほとんど変わらないので、いずれ1万前後くらいに落ち着きそうです。


アイコムは、現在は屋外用のレピーターからは撤退していて、特小に関しては、アルインコがやや優勢です。
アルインコって、元々は建材や足場などの会社なんですね。なるほど建設現場は特小のニーズがありますからね。