衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書 より | いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.

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「真実を知らない者は愚か者でしかない。
だが、真実を知っているにもかかわらず、それを嘘という奴、
そういう奴は犯罪者だ」

ベルトルト・ビレヒト: ガリレイの生涯、第13幕

2013年、巳年の元旦に必読文献「チェルノブイリの長い影」。衆議院HPでわかる健康被害、東京の今後。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/d461461cea201e51c064ceb019d2e215


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内容は、みなさんにも、僕にも驚くことは、ほとんどありません。しかし、これだけ、簡便にチェルノブイリでおきていることが、日本語で書かれている文献が、ふつうに衆議院のホームページにあるということです。これは、びっくりします。ヤブロコフ博士のチェルノブイリレポートは、専門家には必読ですし、みなさん気にしていると思いますが、それよりもこの報告書は、簡便にまとまっていて、尚且つ論旨が一貫して、大変読みやすいものです。チェルノブイリレポートが良くも悪くも、大部の報告の集積、事典のようなものです。調べるためには、役に立ちますが、通読は大変です。これは、楽です。しかも、きちんと頭に入ります。

まず、これをダウンロードして、こうしてほしいのですが、紙に印刷して読んでください。

PCの画面環境で読むと頭に入りません。きちんと印字された活字で紙で読むほうが頭に入ります。しかも、この報告書は、衆議院の議員団の資料ということも、表紙的に出せます。国の公的な感覚が強くなります。

いいですか、こういう文書なら、印刷して、コピーすれば、あなた達の身の回りの人に配れるんです。配っても、反体制派の文書でありません。衆議院の議員団が公的な視察で行った内容の中に、ウクライナ側から渡された公的性格の強い資料なんです。衆議院の議員団の目次も印刷し、それを表紙にして中身を付けてください。そうしたら、受け取る方も、いい加減な資料と根拠なく言い張る立ち位置を完全に失います。

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 一番、気になったところです。、さまざまな観察地域の子供に見る染色体異常誘発因子の割合のグラフが83ページにあります。これをみると、多い順に、高度汚染のナロジチ地区が圧倒的に多く、チェルニコフ地区が続き、その次がキエフの子供、そして事故処理作業者、リクヴィダートルの子供、さらに体外で放射線暴露してた子供、そしておそらく汚染の少ない地域の子供、イスラエルの子供、フランスの子供の順番です。

 ナロジチ地区は100パーセント。キエフの子供は32.8パーセント。リクヴィダートルの子供は30.8パーセント、フランスの子供は0.8パーセントです。

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他にもこの報告書には、注目すべき記載は多いのです。

◎罹患率が高いのは、事故処理作業者、避難者、汚染区域居城者。

◎1987-2004の比較です。

小児の新生物または腫瘍は8倍以上増大。

小児の行動障害及び精神障害はおよそ2倍。

小児の泌尿器系、生殖器系の罹患率はほぼ7倍。

先天性異常はおよそ5倍。


◎特有の免疫学的疾患が生じると、放射線による影響をうけた子供らの生体に細菌やウイルスがいつまでも残存することによって起こる症状が、さらに急ピッチで増大するおそれがある。

◎妊娠女性の胎盤内における放射性核種の濃度を明らかにする研究が、イギリスのブリストル大学との共同研究であきらかとなっている。α放射性核種のBq/kgも測定されていて、さらに、胎盤の隔膜の変化や細胞破壊の兆候がある細胞量の増大もあきらかにされています。

 この調査対象の女性たちの33.6パーセントが子宮内で胎児の発育が停止。

胎盤は胎児そのものよりも、はるかに放射性核種を蓄積する。

被曝した女性から生まれた第一世代は発育不全で生まれやすい。生後1年で病気。生後2年で虫歯や窩洞などができはじめる。生後5年で甲状腺の過形成。

ウクライナで毎年2000人を超える新生児が心臓異常、もしくは胸部異常で死亡。

多指症、臓器奇形、四肢の欠損または変形。発育不全と関節拘縮症。事故前より優位に。

◎ベラルーシ。汚染区域で育てられた子供。母乳と粉ミルク。母乳の方が子供のセシウム体内量がはるかに多い。

ベラルーシ。甲状腺がんの発症が80倍という報告。

◎プリチャピの子供。標準年齢に達している脳波。2.8パーセント。

◎汚染区域の子供に赤血球の浸透圧安定性が低下。

汚染区域の女児。8~12歳。79.7パーセントが骨線維症。

内分泌系疾病は汚染被害を受けた子供は国全体の3倍の発生

汚染地域に住み続けている子供の血液系統の疾病は他地域の2倍から3倍。

これは、政府側の公的な文書です。確認してください。読んでください。知識のみならず、被曝についての意識を、方向性を確認できます。

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『チェルノブイリの長い影~チェルノブイリ核事故後の健康被害』
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/cherno10.pdf/$File/cherno10.pdf

衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/201110cherno.htm