おはようございます。一昨日の夜にここボストンにはハリケーンが来て、その台風一過とでも言いましょうか、昨日今日と東京では絶対に見ることができないような素晴らしい快晴です。


さて、表題の件になりますが、それを説明する前にサウスウェスト航空についてwikiを引用します。この会社はアメリカ人なら知らない人はいないほど、ビジネスで成功しているユニークな会社です。



サウスウエスト航空(サウスウエストこうくう、英語: Southwest Airlines、NYSE:LUV)はアメリカ合衆国テキサス州ダラス市を本拠地としている航空会社である。格安航空会社として知られ、1973年以来、毎年利益を上げている。2007年現在、旅客キロ数で、アメリカ国内6位、世界8位の規模となっている

徹底したコスト削減等が図られ、収益率は他社より高い。アメリカの景気の動向に関わらず黒字運営を続ける[3]全米で数少ない航空会社の1つである。また、アメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカの他の航空会社は軒並み、大量のレイオフを行ったが、同社は唯一レイオフを行っていない大手航空会社でもある。




だそうです。んで、そのCMのメッセージなんですが、日本語で言いますと、


「サウスウェストのチケットが買えるのはsouthwest.comだけだぜ!!」


「サウスウェストはお客さんをインターネット中をグルグルブラウズさせないぜ!!」


「エクスペディアとか見てもサウスウェストのチケットは載ってないぜ!!」


国際線を旅行代理店を通さないで買うという行為は日本では一般的ではないと思うので、意味が分からないかもしれませんが、海外旅行の格安チケット販売のサイトはexpedia, edreamとたくさんあります。


そして、これらのチケット販売サービスは一度予約してしまうと、キャンセルがききませんし、変更もききません(きくが高い手数料を取られる)。その上、expediaなんかはホテルを予約したは良いが、現地に行ってみると、今日はいっぱいですとか言われて、なんか文句あるならexpediaに直接言ってください、とかいう人間とは思えない対応を受けたりします。


つまりそういう格安航空券販売のネット系の会社は非常に嫌われているわけです。


しかしちょっと考えてみてください。日本ではカカクコムのような価格比較サイトが隆盛を極めています。これは、非常に顧客目線での商品選びができることや、情報の公平性が買われてのことです。また、企業側から見ても、商品や会社へのアクセスの窓口が多いほど当然売上アップにつながるわけです。


しかしながらサウスウェストの試みはこれの真逆です。色々なサイトをグルグル見て確認するのはめんどいだろうから、うちのHPに来れば一発だ!!と言うんです。


expediaとかの助けを借りなくてもうちは十分売上あるからそんなもんを使って顧客満足度を下げるくらいなら自社サイトでやるよということです。


ネットポータルを使った課金モデルを考えるときは基本的に下記の2パターンが代表的に思いつくところだと思います。


A 法人営業して掲載料をとる、もしくは売上に対する制約報酬をいただく。(一撃100万系)
B エンドユーザーからダウンロード課金で儲ける。(100万人から100円づつ系)


これはAのタイプの法人から掲載料を取る系のサービスのトレンドに陰りが見え始めている兆候です。まー実際それは最近起こり始めたというよりも前からなんですが。実際に日本のディーエヌエー(DeNA)やグリーなどPER(時価総額を利益で割ったもの)が高い企業のビジネスモデルはBタイプの物です。


ディーエヌエーはご存知の方も多いかと存じますが、ビッダーズ(Bidders)というオークション系のショッピングサイトを運営しており、競合他社は楽天、Yahooでした。しかし当然ながら、上位2社には勝てなかったわけですが、そのポータル運営時に携帯からのお買い物が実際7割近いということに気付き、携帯での商売に可能性を見出し、その後モバゲータウンが大当たり、今ではTVCMをバンバン出すまでに至っています。


話を戻しますが、サウスウェストの試みは結構他社が真似したくても真似出来ないと皆口をそろえて言いますので、これがAタイプのモデルの終焉とは言いませんが、市場トレンドは確実にBの方向に現在傾いています。


きっと来年位にはCのタイプのモデルが出てきて、それが次のIT業界で覇権を握る事になるんでしょう。


それにしても海外にはアップルやサウスウェスト以外にもユニークな会社がたくさんありますね。どこの会社にも共通して言える事は、ユーザーとのコミュニケーション(これはCM等を使った企業メッセージを含めて)に非常に成功しており、ユーザーを熱狂させています。


それに比べると、トヨタやソニーはエンドユーザーとコミュニケーションを取っていませんね。取ろうとしているのかもしれませんし、実際に取ってるのかもしれませんが、私とは取りたくないのかもしれません。


日本でもツイッターとかパチパチやってるのは主にIT系ですね。あれが客とのコミュニケーションを成功に導くかは別として、他の業界でもよりそういった成功事例の後を追いかける企業が出てくると思います。


しかしながら、やはり他の企業のマネでは、顧客を熱狂させることはできないのです。日本の企業は今一度、何ゆえ顧客が貴方の会社の商品を選ぶのか?という命題について考察しなおす必要があると思います。