ZIPAIR、初の新造機318成田到着へ 初便はバンコク行き

 

日本航空(JAL/JL、9201)傘下のZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)初の新造機となるボーイング787-8型機(登録記号JA850J)が、成田空港へ3月18日夜に到着する見通し。

 

FAA(米国連邦航空局)の指示により、ボーイングが787の納入を一時停止していたが、今週から再開される見込みであることから、ZIPAIRの機体も引き渡されることになった。

787-8の新造機を初受領するZIPAIR(資料写真)

23年1月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 

 

JA850Jは、サウスカロライナ州ノースチャールストンの「BSC(ボーイング・サウスカロライナ)」で引き渡され、成田へのフェリーフライトはJL8101便として現地時間17日午後3時30分に出発し、成田には18日午後6時50分に到着する見込み。

 

初便は22日の成田午後5時発バンコク行きZG51便を予定。フェリーフライトと初便は、整備などの都合により変更になる可能性があるという。

 

中長距離LCCのZIPAIRは当初、初号機(JA822J)と2号機(JA825J)をJALが運航していた初期受領機の改修、3号機と4号機を新造機とする計画だったが、ボーイングの製造問題などで変更。3号機(JA824J)と4号機(JA826J)もJALからの転籍機となり、5号機が初の新造機になる。機体をボーイングから購入するのは親会社であるJALで、ZIPAIRはJALから借り受ける。

 

5号機も座席数は従来と同じ2クラス290席で、フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席となる。

 

現在の路線展開は、成田-バンコク、ソウル(仁川)、ハワイのホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼの国際線6路線。サンフランシスコ線を2023年度第1四半期(4-6月期)、マニラ線を第2四半期(7-9月期)に就航させる計画で、2023年度は787-8が7機体制になる。

 

787は2020年に胴体接合部の不具合が発覚し、その後も品質問題が指摘され、FAAがボーイングに対して品質改善を求めていた。

 

ボーイングは2022年4月に認証計画をFAAに提出し、8月に納入を再開したが、サプライヤーによる前方圧力隔壁のデータ分析ミスが発覚したことで、FAAが今年2月23日に787の納入を停止するようボーイングに命じていた。その後、ボーイングがこれらの懸念に対処したことから、FAAは納入再開を認めた。

 

フェリーフライト
JL8101 チャールストン(17日15:30)→成田(18日18:50)