メーカー仕様がバラバラ「これじゃ使えない!」

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心停止の蘇生の切り札として自動体外式除細動器(AED)が公共施設や駅などへ設置されつつあるが、色も外観も操作ボタンの位置もばらばらの3社の製品が混在していることが分かった。
一般の人でも使えるように各種団体が講習会を開いているが、「いざという時に知らない機器だとちゅうちょする」と不安の声が上がっている。

AEDは心臓まひなどで心室細動になった時に心臓に電気ショックを与え機能を正常に戻す医療器具。
AEDの使用が1分遅れるたびに生存率が10%下がるといわれ、04年7月、一般人にも使用が認められた。

どの機種も電源オン、2枚のパットを体に張り通電ボタンを押すという動作は同じ。
厚生労働省は心電図を解析し、除細動ショックを供給できるなどの基本性能を満たせば認可という立場で、メーカーは「音声アナウンスの指示に従えば間違わない」という。
だが、外観がそれぞれ違う以外に、ふたを開けると自動的に電源が入る機器もあり、微妙に仕様は異なる。

東京都内で講習会を開く東京救急協会は緊急時に動揺しないように3社の機器を受講者に触らせている。
受講した台東区の自営業、樋浦雅紀さん(54)は昨年、交通事故現場で救命活動をした。
「講習を受けた機種以外だと戸惑います。消火器のように統一した基準にできないものか」。
心停止で人が倒れた現場に立ち会ったのがきっかけで受講した世田谷区の公務員の女性(51)は「かなり焦りました。知らない機種だと、何もせず逃げ出したくなる」と話す。
 
NPO法人「AED普及協会」(埼玉県)は1機種しか所有しておらず、山本祐二事務局長は「講習会で『知らない種類でも使えるかしら』と不安を訴える人もいる」と話す。
日本赤十字社東京都支部も講習会に使うのは1機種だけ。
「操作は簡単なので、他に機種があることは口頭で説明している」という。

緊急時の避難出口を示す「非常口サイン」をデザインした太田幸夫・多摩美術大教授は「各メーカーがこれがベストだと思って作っているのだろうが、本当のベストなら差は表れない。
命にかかわるものだからこそ操作法はもちろん色、文字、形、寸法、素材など共通化が必要」と指摘している。

緊急の場ってのは、医療従事者でさえ舞い上がってしまう事がある。
そんな中、一般の人に落ち着いて行動することを要求する事は難しいだろう。
特に人の命に関わる機械を使うとなるとその緊張度は増すに違いない。

使い方は確かに簡単だけど、それは仕組みを充分に知っている人間の見解。
講習を受けてから、実際に使う機会がいつになるか分からない状況で、機械が3種類あるってのはどうかと思う。

なんで、3社も作るの許可しちゃったんだろう?
普通に考えれば、統一していたほうがいいのはごく当たり前のことだと思うんだけどなぁ。


それはそうと、AEDが活躍して1人でも多くの人が救われる世の中になればいいですね。
そしてそういう機会が増えるように1人でも多くの人が講習を受けてくれることを祈っています。
会社の入社研修や自動車の免許講習など、そんな時にでもAED講習をしてもらえるといいんだけどなぁ。