県立木曽病院で、女性看護師が70代の男性入院患者の流動食の管を交換しようとして、誤って肺を突き破り、気付かずに胸腔内に流動食を流し込む事故を起こしていたことが、17日分かった。
男性は現在、人工呼吸器を付けており、容体について同病院は「予断を許さない状態」としている。
事故が起きたのは11日昼前で、本来は鼻から食道経由で胃に入れる管を、誤って気管を通して差し込んだ。
12日に男性が発熱したため、CTスキャンで調べたところ、肺を突き破っていることが判明。
胸腔内には11日の昼食と夕食計1000ccがたまっており、病院側は抜き取る処置をした。
男性は日常的に流動食を取っており、管は1―2週間程度で交換していた。
沢田祐介県衛生部長によると、通常は、管が正しく胃に入っているかどうか、空気を送り込んで胃の中の音を確認する。
今回も11日の昼食前から12日朝にかけて計3回確認したというが、胸水の音を胃の中の音と聞き誤ったらしい。
管が気管に入った際、男性患者の拒絶反応もなかったという。
県衛生部によると、男性は木曽郡在住で、脳梗塞の後遺症で半年ほど前に入院し、事故当時は肺炎の治療も受けていた。

経鼻胃管。

マーゲンチューブやサンプチューブ、マーゲンゾンデ、NGチューブなど呼び方は様々。
鼻から管を通して、食道を経由して胃の中に管の先端を持っていく。
そしてその管を使って栄養補給を行うもの。
他に、胃内の洗浄に使ったり、イレウスなどの時に脱気・減圧目的にいれることがある。

一番怖い合併症は気管内挿管。
食道と肺につながる気管は隣同士。
前にあるのが気管で背中側が食道となっている。
そのため、ある一定の確率で気管内にはいってしまうことがある。

だいたいは、咳き込んだりするし、確認の方法として空気を送り込んで音を聞くという方法がある。
また、内容物を吸引して確かめる方法もある。

それにしてもこの事故には驚き。
気管に入ってしまう事はあっても、その肺を突き破って胸腔内にまで先端がいっているとは・・・。
考えた事もありませんでした。

世の中には想像を絶するような事故があるもんだとあらためて感じました。