(しぐれあと のこしてきよし ふゆのてら)
楊谷寺(ようこくじ)は、一般に柳谷さんと呼ばれ、
眼病治癒で知られたお寺です。
「願いを立てる」、沢山の「講」が組織され、多くの人々により守られてきました。
清水寺の開祖「延鎮」が、夢告で西山のこの地で観音に出会い、
草庵を営み観音を祀ります。
柳谷さんは、西の清水寺とも呼ばれます。
近くの乙訓寺にいた「空海」がここを何度もお参りしてました。
ある時、子猿の病に罹った目を、親猿が洗って治そうとしているのに出会います。
そこで、空海が祈祷により治します。
空海は親猿の使っていた水が、霊水であると知り、人々に広めます。
現代でも、独鈷水(おこうずい)を求めて、ペットボトル持参で多くの人が訪れます。
弘法大師が、独鈷杵(とっこしょ)で霊水を掘り当てる話はあちこちに有りますね。
京都で思いつだけでも、善峯寺・泉涌寺来迎院……
弘法大師が偉大で、他の真言僧の偉業も弘法大師になったのかな?
昔は、眼病は付ける薬もなく大変だったようです。
なんでも、苔の上を流れる清水は、
今の目薬と同じような成分が含まれているそうですよ。
ですから、霊元天皇の目を治した、此処の独鈷水は、効きます!
阿弥陀堂の中の厨子は、淀君寄進の桃山時代のものです。
阿弥陀堂の脇から奥の院へ
本堂と同じく、十一面千手千眼観音が祀られています。
急な階段の紫陽花回廊です。
アジサイの頃はきれいですよ。
紅葉と紫陽花の時期以外は、拝観料も駐車場も無料です。
明治期の神仏分離の影響も少なく、興味深い、静かなお寺です。