論述の解答は無限にあると思います。
CVCLABの講座では受講いただく皆様とご一緒に、
事例をまとめた事例相談者が捉えたことを大切に扱いながら、
それを中心にフレームワーク等を行い、
皆様と考えを出し合い整理していくプロセスを大切にしています。
その道は無限なのです。
受講いただく皆様のご意見や考え、
そして疑問等が表に発せられることで、
周囲の皆様への様々な刺激と化し、
また様々な視点等を体験することができます。
そうした他者の理解を深めていこうとする場が多い方が、
実践力を上げていくことや面談の質的向上に効果的であり刺激も多いと思います。
それは実践力の上がる試験対策であるともいえます。
他者との違いを理解して、
自分と異なる存在を如何に認められるか、
それが論述でも面接でも役立つことなのでしょう。
さて、
今回の記事では
1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述必須問題の最後の問いとなる問3について、
私の視点で考え方を解説いたします。
あなたが、この事例相談者の立場なら相談者Aに対してどのように対応するか、あなたの考えを記述せよ。
この問いを読んで、
受検者ご自分が相談者Aの担当コンサルタントであるというイメージを持つ方は多いと思います。
私はそのようには考えないのですが、
何故なら、目の前の事例記録は、
この事例相談者の成長支援を行うためのツールだと考えるからです。
事例指導者(受検者)が相談者Aの担当コンサルタントになってしまっては、
事例相談者の成長には繋がり難いと考えます。
また、
そもそも事例指導者は相談者Aの担当になることはできません。
では、この問いをどう考えるのか。
事例指導者(受検者)の方次第なわけですが、
これから書く記事内容にフィットする方は、
少しご自身の中で考えを深めてみてください。
少しこれまでの各問の考え方を振り返ります。
問1では、
この事例相談者が相談者Aの問題(相談者A視点・事例相談者視点)をどのように捉えているのかを読み取り、
事例指導者との考えの違いやズレみたいなものなどの背景を取り込みながら相談者Aの問題を記していくことが大切だと説明しました。
問2では、
問1で検討した解答内容を踏まえて、
この事例相談者は相談者Aに対してどんな対応をしたのか、
それを体系立てて整理しながら方針を理解しつつ、改善出来そうな箇所にフォーカスしていく。
それはこの事例相談者のやろうとしたことを指摘するのではなく、
尊重していくポイントを大事にしつつ、足りないところ、勿体ないところを改善するための視点を持って表現していく。
そして問3では、
上記の流れを踏まえて、
この事例相談者の立場に立って、
この事例相談者がやろうとした戦略を生かして修正した内容、付け加えていく事などを記述する。
要はシステマティックアプローチを基礎にしながら、
この事例相談者の方針を絡めて記述できると良いと思うのです。
我流ではない基礎的なフレームワークに置き換えて、できているところを生かし、
もったいないところを改善して示していくことが事例相談者にとっての生きた役割モデルの提示となることでしょう。
併せて事例によっては、
守秘義務の面やメンタルヘルスの面、組織倫理面などの点も必要に応じて加味するとより良い内容になるかもしれません。
1級CCの学科試験、論述試験まであと10日間です。
ご一緒に頑張りましょう!
CVCLAB/小林幸彦