1級キャリアコンサルティング技能検定において、
論述試験は、そこに記されている言葉の意味が重要な一面を持ちます。
※勿論、面接試験においても言葉の意味はとても重要です。
今回は論述についての記事を書きます。
そして解答に記述する言葉達も様々な意味を持ちます。
受検者の方のご経験などから言葉の意味は色々と異なるかと考えます。
同じ事例を読んでも、
どの箇所で何を考えるのか、感じるのか、
それはその人にしかないセンスのようなものもあると思います。
そうした受け止め方などの積み重ねが、
その人の考えとなって解答が記述されるものです。
人によってその意味合いが異なる可能性があり、
常にその意味づけを確認する必要性があります。
具体的に聞くことができる、
具体的に話すことができる、
という能力と態度はいつも発達させていく必要があり、
それは私たちが仕事を遂行していくための大事なスキルだと思います。
だからこそ論述試験においても、
そうしたことを事例をまとめてきた事例相談者と重ねていくつもりで考えていく必要があると感じるのです。
《論述試験は事例相談者がそこにいるわけではないから、とにかく自分の視点だけをなるべく沢山列挙した方が良い》
そうした考え方もあるのかもしれません。
気をつけたいことはこの試験は実技であり、
事例指導というセッションの目的があるということです。
そうした目的などを忘れてしまうと、
自分を評価してもらうための自己中心的なものの書き方(伝え方)になってしまうかもしれません。
厳しい表現ばかりの解答内容になっていないか、
事例相談者のやる気を削ぐことになっていないか、
ご自身でご確認してみると良い気がします。
事例相談者のやる気が高まり本人の主体的な成長を促すことは、
その全てが相談者のお役に立つという働きに繋がることを認識して臨む必要があり、
そもそも自分自身(受検者の方)が、
現代社会に適応するために厳しい決断に迫られているときの姿勢、
それを乗り越えるための努力、
そして窮地の中で生きていける逞しさやしなやかさ、
こうした力と姿勢をみがいていくことを覚悟していることが本当に重要です。
事例指導者自身の折り合いの付け方などは、
事例相談者にとって、役割モデルとして学びとなりますし、
自己を認められるからこそ人を認められるという力を獲得している指導者は本当に世の中を変える影響力を持つと思います。
それには言葉の意味が人によって異なることを知っていることが本当に大切なのだと感じます。
目の前の事例相談者をわかろうとできる受容力は人生観などからも醸し出されていくものなのかもしれません。
しかしそれは突然には身につかない。
だからこそ日々人との違いを理解していく努力を重ね、
特に言葉の意味を考えることが自身のひとつの成長にもなるのだと考えています。