1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受ける予定の方から論述解答の書き方の練習方法を聞かれることがあります。
試験に合格することを考えれば当然にどんな書き方ができるかによって相当な影響があるので、
その答えを求めていくことはあるのかもしれません。
ただ、書き方に囚われていると視野は狭まり、
本質的なことを考えられなくなることがあります。
その前にここでの事例指導とはなんなのか、
この事例相談者が求めていることはなんなのか、
土台になるであろうことを事例から読み取っていくことや、それを自分の言葉で表現していくことが必要なのではないかと感じています。
先ず、論述であろうと面接であろうと、
その目的は事例をまとめてきた事例相談者の成長であり、
それが結果として相談者の役に立つこと、
より良い面談を提供することができるようにすること等を目指していくわけです。
論述試験は解答用紙のスペースが決められていることが事前情報としてあるために、
どうしてもその枠組みの中でどう書くかというところに焦点が絞られてしまい、
《こう書けば良い》的なものを求めてしまうものと認識しています。
もし仮に書き方を示したとしても、
実際それはご自身から生み出された表現ではなく、
いざという時にその書き方への依存が表出してしまい、
結局、その方の独自の持ち味が出ず、
画一的な表現に留まってしまうことが懸念されます。
そもそも根底には、
その人の考え方や感じ方などを自由に出していく必要があるので、
どう書くかということは必要ないわけです。
ボキャブラリーを増やすとか語彙力を高めるとかキリがありませんので、
それはそれとして、キャリアコンサルティングの基本参考書等を読み直しながら、
その内容を自身の言葉で相手に伝えられるようにすることや、
また、過去問の事例などから事例相談者の相談者に対しての見立てと戦略を読み取り、それを文章化していくことから始めてみてはいかがでしょうか。
それが結局、この事例相談者を通して事例全体を知ることにつながり、
また、この事例相談者を理解する近道なのかもしれないのです。
そしてそれはきっと、
試験対策だけに終わらない勉強方法だと思います。