青梅街道をゆく 青梅駅から奥多摩湖のまた奥へ(その7) | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

青梅街道を多摩川源流方面へとブロンプトンでのぼるこの旅について、前回、青梅線の羽村駅から奥多摩湖の先にある鴨沢西バス停まで走ったところで終わりました。
旧街道の旅でも同じなのですが、尺取虫方式の旅の場合、前回中断したところまで今回公共交通機関を使って戻るのに、なるべく早くそこに着くという大前提があります。

早くスタートできればそれだけ距離も伸ばせますから。
横浜市港北区と川崎市高津区の市境に近い場所に住んでいる私の場合、もし鴨沢西バス停へ戻るのであれば、奥多摩駅をできるだけ早いバスに乗って、朝早くに前回到達点/今回出発点へ到達する必要があるわけです。
また、鴨沢西バス停から走るとなると、スタート地点からして既に東京都から山梨県甲州市に入っているわけで、その先の丹波山村役場前が西東京バスの終点であり、そこから先は、柳沢峠直下の落合まで路線バスはないことを考え合わせると、日の長い夏場を利用して、その日のうちに峠を越え、今回の旅を終了させて塩山駅から中央本線に乗車して帰ってくることを想定しなければなりません。
ということで、鴨沢西バス停に朝のなるべく早い時間帯に到着するために、自宅からの旅程を考えてみました。


1.    最寄駅から南武線を利用する場合
いつもの方法で武蔵中原駅から南武線を利用する場合は次のようになります。
平日:武蔵中原(4:43発立川行き)→立川(5:24着/5:28発青梅行き)→青梅(6:01着/6:04発奥多摩行き)→奥多摩(6:51着/7:00丹波行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:36着)---→丹波山村役場(7:54着)
週末:平日:武蔵中原(4:43発立川行き)→立川(5:24着/5:35発青梅行き)→青梅(6:04着/6:06発奥多摩行き)→奥多摩(6:46着/7:00鴨沢西行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:36着)
平日と週末を比較すると、途中立川駅での南武線から青梅線への乗り継ぎについて、平日の方が有利にもかかわらず、なぜか奥多摩駅到着の時間は休日の方が早いということになります。


但し、西東京バスの時刻表は、7時発のバスが平日は丹波山村役場までと、終点まで行くのに対し、週末のバスは鴨沢西バス停止まりということになり、平日を選択するのであれば、前回は鴨沢西バス停ではなく、丹波山村まで走っておけばよかったということになります。
加えて、朝食をどこで食べるかということも考えねばなりません。
奥多摩駅では食べられませんから、南武線乗車前ということになりますが、4時から開いているのは吉野家さんの一部店舗のみで、私の家からの場合、元住吉駅か武蔵溝ノ口駅の至近の店になります。
但し、元住吉駅を経由して武蔵中原駅までブロンプトンで走るのは、明らかに遠回りですし、家から行く場合、武蔵溝ノ口駅前の同店も、線路の向こうになり、時間がない中で不利になります。


2.    少しでも西寄りの南武線の駅から始発電車をつかまえる場合
いつも南武線は武蔵中原駅付近に車両基地があることから、同駅始発が一番早いと考えがちなのですが、下り電車に関しては登戸駅始発(4時39分発)も設定されています。
日吉の自宅から武蔵中原駅までは2.6㎞、元住吉を経由しても4.22㎞、武蔵溝ノ口駅でも4.8㎞なので、武蔵中原駅なら歩いてもなんとか、武蔵溝ノ口駅なら自転車でも余裕です。
しかし、家から8.85㎞の登戸駅となると、始発に間に合うように家を出て歩くのなら2時間近くかかる計算になり、2時半には家を出ねばならなくなります。
そうするともう眠る時間はありません。
しかし、ブロンプトンがあれば、途中2つある丘を越えずに迂回したとしても、30分程度あれば走れることになります。
朝食は登戸駅直下に吉野家さんが4時から開いているので、これを利用すれば30分近く早い電車に乗れます。
時刻は次の通りになります。


平日:登戸(4:43発立川行き)→立川(5:07着/5:14発青梅行き)→青梅(5:48着/5:49発奥多摩行き)→奥多摩(6:25着/6:30鴨沢西行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:06着)
週末:平日:登戸(4:39発立川行き)→立川(5:07着/5:19発青梅行き)→青梅(5:52着/6:06発奥多摩行き)→奥多摩(6:46着/7:00鴨沢西行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:36着)
こちらの方は、平日と週末でかなり差が出ます。
平日なら奥多摩駅に20分以上早く到着できて、1本早いバスに乗って鴨沢西バス停に7時過ぎには着くことができるのに、週末になると立川駅での接続が悪く、結局武蔵中原発の始発電車と同じになってしまいます。
つまり、登戸駅始発の列車をつかまえて奥多摩駅までゆくのに美味しいのは平日のみであり、週末はそこまで走るメリットがありません。


3.    立川、羽村、青梅など、青梅線の始発、途中駅に宿泊する場合
立川駅以西の青梅線の乗り継ぎに問題があるのであれば、いっそのこと青梅線沿線に前泊してしまう手があります。
青梅線は基本的に立川~青梅と青梅~奥多摩は運転系統が分離しているので、立川~青梅間に宿泊するのと、それ以西に宿泊するのでは、奥多摩駅到着時刻が変わってきます。
そうすると、奥多摩駅から乗る西東京バスの時刻も変わってきます。
但し青梅から西の青梅線沿線は殆ど多摩川の渓谷を走るため、民宿はあると思いますが、ビジネスホテルのような類の宿泊施設は期待できません。
しかしそこはブロンプトンです。
青梅駅より多少東寄りの駅近くに宿泊しても、青梅駅まで走ってゆくという手が残っています。
河辺、小作、羽村駅付近にはビジネスホテルがあるので宿泊のみして、青梅始発の電車をつかまえることも可能です。


時刻は次のようになります。
立川始発:立川(4:47発青梅行き)→青梅(5:17着/5:18発〔週末5:19発〕奥多摩行き)→奥多摩(5:56着〔週末5:59着〕/6:36発〔週末6:05発〕鴨沢西行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:12着〔週末6:41着〕)
青梅始発:青梅(5:18〔週末5:19〕発奥多摩行き)→奥多摩(5:56〔週末5:59〕着/6:36発〔週末6:05発〕鴨沢西行き西東京バス)→鴨沢西バス停(7:12着〔週末6:41着〕)
上記時刻を見てもらえばわかる通り、立川から青梅の間に泊まるのも、青梅以西に泊まるのも青梅線に乗る場合は変わりません。
但し、平日と週末を比べると、週末の方が30分以上鴨沢西バス停には早く着ける計算になります。
つまり、登戸始発に乗るのとは逆で、青梅線沿線に宿泊した場合は平日よりも週末の方が有利で、なおかつ6時41分には鴨沢西バス停に着けるということになります。
但しこの場合、5時前から朝食を食べることのできる場所が殆ど存在しないので、朝食は前の晩にコンビニで買っておいた内容がすべてになります。


4.    奥多摩駅に宿泊する場合
ならばいっそのこと、奥多摩駅周辺に宿泊するというのはどうでしょう。
奥多摩駅周辺には、山に行く人向けに宿泊料金の廉価な宿が何軒か存在します。
こちらの宿は、早立ちする場合朝食を食べるよりは、前の日に頼んでおいたお弁当を持たせてくれるか、やはり前の晩に買ったコンビニ商品が主流となります。
奥多摩駅始発の西東京バスの始発は以下のようになります。
平日:5:34発鴨沢西行き→6:10鴨沢西バス停着
終末:6:05発鴨沢西行き→6:41鴨沢西バス停着
ご覧の通り、青梅線沿線に宿泊する場合に比べて金曜、土曜の晩に奥多摩駅周辺に宿泊するメリットはありません。
泊まるなら平日ということになります。
しかし、奥多摩駅から鴨沢西までブロンプトンで走ってみて、それほど大変ではなかったことを考えると、夏の朝の4時半くらいに出て、オール自転車で柳沢峠越えを目指すのもありかもしれません。


5.    出発点に近い付近に宿泊する場合
鴨沢西バス停付近に宿泊するとなると、雲取山を目指す人たちのために、2つ手前の鴨沢バス停付近に登山者向けの宿があります。
ここにとまってしまえば、いつ出立してもOKということになりますから、バスで来るよりも早い時間、4時台、5時台に余裕で走り始めることができます。
また、奥多摩湖畔にも若干の宿はあります。
但し、鴨沢のそれは岳人向けの宿です。
向こうさんは寝袋持参で雑魚寝などもろともしない猛者たちです。
コロナ以降雑魚寝は禁止されているかもしれませんが、登る対象が全然違いますから、装備も違います。
ひょっとすると携行食を持っていてそれを朝食にしているのかもしれません。
しかしこちらは奥多摩駅より手前で夕食をとったうえで乗り込まねばならないし、同じ場所で買ったコンビニ食品を朝食にせねばなりません。
旧東海道の旅だって掛川より西にゆかねば宿泊しなかったのに、たかが奥多摩辺りで宿泊するのは旧街道旅マニアの名が廃るように思います。
柳沢峠までは50㎞も無いわけですから、やはり泊まらずになるべく早く着くように家を出るのが妥当でしょう。
ということで、上記の選択肢の中でもっともバランスが良いと判断し、今回は登戸始発の電車に平日に乗ってみることにしました。
季節は7月初め。
家から10㎞近く走った後に朝食をとり、登戸駅から2時間以上かけて鴨沢西バス停に辿り着き、そこから標高1,472mの柳沢峠を越えて塩山駅を目指すのはロマンがありますが、さてどうなることやら。
次回は実践編をお伝えします。