自己の神経を逆撫でしてみる | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

今年の夏は暑かったですね。

9月が終わって10月の声をきいてもまだ夏日が続き、ニュースなどではこのまま冬までずっと暑いままではないかなどと言われておりました。

ところが10日過ぎあたりから涼しい日がぽつぽつと現れるようになると、昨日まで「10月いっぱい、下手をすると11月に入っても暑さは続く」などと言っていた気象予報が、手のひらを返したように「明日の朝は11月並みの冷え込みに注意」と言ってきて、思わずぎょっとしてよく聞くと、長野県や新潟県の話だったりして、予報はあくまで予報だから仕方ないにしても「どうして極端なことを先に口に出すかな」と思わずにはいられません。

きっと、キャッチーな言葉を最初に出さないと、視聴率が稼げない、みなマスコミから離れて行ってしまうと不安になっているのではないでしょうか。

私から言わせれば、そんなの逆効果です。

過激な表現や言葉を使えば使うほど、視聴する側はますます過激なものを求める派と、とてもじゃないがついてゆけないと静かにテレビやラジオ、インターネットの視聴をやめたり、それを一定期間断ったりする派に分裂し、視聴者全体が時間をかけながらじっくりと減少してゆき、最後はどんな過激な言葉や表現も全く通用しない、ただテレビに目を向けているだけで無反応の高齢者だけが視聴者として残る、そんな風に未来を想像してしまいます。

いや、もう既にそうなっているのではないでしょうか。

久々にテレビを見たら、アナウンサーがまるで気象予報のように、「本日詐欺電話がかかってきた地域」を地図入りでお知らせしていましたが、あれになんの意味があるのでしょう。

視ている高齢者が、詐欺とか電話という単語にすら無反応なのに。

きっと某公共放送も含め、マスコミもまた視聴率を通したお金集めにとらわれているのかもしれません。

マネー渇望依存症とでもいいましょうか。

依存症というのは、貨幣経済、とくに自由主義経済において顕著にあらわれる「仇花」だと思っているので、一個人としてはなるべく距離をとって巻き込まれないようにするだけです。

さて、涼しくなったら自転車に乗れるかと思ったら、環境の変化ゆえか、片耳が聴こえなくなってしまいました。

片方の耳が、高い山に登った時になる耳つまり感が片方だけ治らなくなるという感じで、耳をポンポン外から叩くと、あきらかに音が違います。

30代のころ、一度なったことがある突発性難聴というやつです。

その時もお医者さんに行ったのですが、いろいろ検査したうえで心因性と診断され、しばらく様子を見ることになりました。

耳というのは片方でも聞こえにくくなると結構困るのです。

まず、ただでさえ聞こえにくい人の話が余計に聞きづらくなり、もう片方の耳を前に出して、半身になって、耳に手を当てて聞く姿勢になります。

いわゆる耳が遠い人みたいに自然になります。

次に、後ろから迫ってくる車やバイクの音がはっきりせず、距離が分からなくなります。

さらには、まっすぐ歩けなくなるような気分になります。

眼なら眼帯、腕なら包帯と、患部が分かるように手当されていれば他人も気付くのですが、耳の場合はほぼ普段通りなので、こちらからいわねば誰も片耳が聴こえないことに気付いてくれません。

それが2週間くらい続いたら、こんどは片腕の肘が痛くなり出しました。

疼痛というのでしょうか。

文字通り疼くような痛みが断続的に続きます。

最初は微かな痛みだったのが、だんだんとひどくなり、温湿布を貼っても収まりません。

自転車に乗ったら、疼痛は激痛に変わりました。

段差を越えるたびに、「痛い」「痛い」と心の中で悲鳴があがります。

これは何年か前の秋になった神経痛です。

身近な人に相談したら、その人は鎮痛剤をほぼ常用しているとのこと。

ひと昔前の自分だったら「薬物依存症が怖い…」と言っていたところですが、背に腹は代えられません。

自分も市販薬を購入して飲んでみたのですが、訊いた様な効かないような。

その時思い出したのです。

昔お寺でお掃除をされていた80代後半の女性が言っていたことを。

「自分も身体のあちこちにガタが来て痛いけれど、痛いと言って動かさなかったら余計痛みに気が行って痛くなるから、休まないで働いている」のだと。

そういえば、昔水泳部だった時に風邪で熱が出て休もうとしたら、「泳げば治る」と言われましたっけ。

その時はプールに薬でも入っているんかいと反発しましたが、運動をすると自律神経が作動して快方に向かう人もおります。

今回も鎌倉片道通勤をやめて以来、少し身体が鈍ってきていたので、都内から自宅までブロンプトンで走ることにしました。

するとどうでしょう。

いままで電車の中で忸怩たる気持ちで耐えていたのが、走り出したら確かに痛みは同じかそれ以上なのですが、有酸素運動に気をとられて、汗が出てきてからはあまり気にならなくなりました。

もちろん、帰ってきてきたら痛いままなのですが、少なくとも、じっとして痛みに耐え続ける時間よりは多少はマシでした。

前にときも、こうしているうちにだんだん治っていったように記憶しています。

あと1週間様子を見て治らないようであれば、お医者さんにいってみようと思います。