エッセイ「好き嫌い」


みなさん、こんばんは。
この忙しいさ中、頑張って好き嫌いしてはりますか?《どういうことやねん?》
好き嫌いって、あんまり良いイメージではないですよね。
特に、食べ物に関する好き嫌いは、俳優に例えると「悪役」になるかと思います。《いちいち俳優に例えんなや》
菌に例えると「悪玉菌」ってとこでしょうか。《例えが変》

あたしは子どもの頃、食べ物に関してかなり好き嫌いがありました。
え?ぜひとも詳しく聞かせてくれって?《ゆーてへん、ゆーてへん》
うーん、仕方ないな。《別に聞きたくないし》
あまり人に聞かれたくないので、スワヒリ語でささやきますね。《スワヒリ語って、マジかい?》

まず一番嫌いだったのは…《日本語やないかい》
いや、ちょっと待って。二番やったかな?《ん?》
ひょっとして三番やったかも知れない。《どっちやねん》
でも意外と四番やったかもなぁ。《そんな差ないやろ》
そこで意表を突いて…
やっぱり一番嫌いやったかも。《一番に返り咲いたんかーい》
そうそう、一番嫌いでした。《だから何が?》
え?知りたいって?《別に知りたくないし》
仕方ないな、じゃあイディッシュ語でささやきますね。《どこの言語やねん?》
…ネギです。《日本語やないかい》
俗にいう「白ネギ」ってやつですか。あれが嫌いです。
でもそれは子どもの頃の話。
大人になってからは、薬味としてなら食べられます。《薬味だけか》
しかも、できるだけ細かく刻んだやつですけど。《ほとんど味せんやろ》
入れないよりは入れた方がええと感じる、ええ感じの大人になりました。《ややこしい表現すな》
あと、風邪ひいたときにはお尻にぶっ刺したりとか。《なんのおまじないや?》
それをまた食べると風邪は治るし恋愛も成就するらしい。《あんた誰かに騙されとるぞ》

こうやって考えると、子どもの頃一番嫌いだった食べ物は、すでに攻略できたわけです。《攻略…って捉えてええんやろか?》
しかし、二番目に嫌いだった食べ物は、今も引きずっています。《攻略できてへんのか》
これだけはどうしようもない。《それはいったい何や?》
え?そんなに知りたい?《あ、いや、ゆーてもうたけど…》
うーん、今度はンガンギテメリ語でささやこうかな。《ほんまにあんのかい?そんな言語》
…みょうがです。《クリアな日本語やな》
みょうがの生産者さんには本当に申し訳ないですけど、食べられません。
なんででしょう?《知るかい》
本当に食べられるようになりたいとは思ってるんですけど。
そう思いながら、ようやく二十歳を超えてしまいました(無念)《もっと大幅に超えとるって…》
よ~し、こうなったら百歳を目標に食べられるようになったる!《あんた何歳やねん?》

ついでですから、三番目に嫌いやった食べ物もご紹介いたします。《もうどうでもええわ》
それは……何語で言ってほしい?《どーせ日本語やろ!》
日本語で普通に言ってもクソ面白くないので、英語風に言ってみます。《英語風ってどうよ?》
…アンクゥォ~ン 《…何それ…?》
はい、正解は「あんこ」ですね。《普通に日本語の方が良かったぞ》
あんこも、子どもの頃は苦手でした。
なんでかな~?
よくわかりませんが、きっと多分、う●こに似てたからですね。《発音かい!》
味は美味しいんですけどね。
だからええ感じの大人になった今は、あんこ大好きです。
きっと、相変らずう●こに似てるからでしょう。《相変らず発音かい!》

まぁ食べ物の好き嫌いは、これくらいで勘弁しときますか。《勘弁してくれ》
でも好き嫌いというのは、当然食べ物だけではありません。《まぁそうやろね》
ありとあらゆる物事に適用できると、あたしはにらんでいます。《にらまんでもええがな》
ただ、よく考えればわかる事なんですけど…
「好き」もあれば「嫌い」もあるなんて、あたりまめの事です。《まめってゆーな》
だからできるだけ「嫌い」が少なければ、より幸せな人生が歩めるんじゃないでしょうか。《確かに》
よーし、これからは頑張って大嫌いなお金を稼ぐぞ!《大好きやろ、それ》
というわけで、好き嫌いは範囲が広すぎるので分割払いとします。《またやんのかい!》
お楽しみに。《いや無理》