檜皮色(ひわだいろ)を知ったのは、色彩検定2級のテキストでだった。
この色は平安時代からある伝統的な色である。
漢字の通り、檜の樹皮のような茶色のこと。
檜の皮ねぇ、実際に眼にすることはあんまりないかな?と思って色彩検定対策講座「も」担当している。
私、元エンジニアなんですけどね。(苦笑)
本殿の保存修理工事のために寄付をした熊野第一神社さんからご招待のお手紙が届いた。⛩️
檜皮で本殿の屋根を葺く現場を見学できるそうな!✨
うきうきワクワクと当日を楽しみに迎え、2025年2月16日(日)に参加してきた。
ちょっと早めに行っていつも通りまずは拝殿で神様にご挨拶。
ご招待いただいたお礼をお伝えする。
白装束の宮司さんの挨拶では50年ぶりに葺き替えるそうだ。
一生に一度、お目にかかれるかどうかの体験💕
3回に分けた見学会は、私を含めた8人が1回目だ。
つまり、ウキウキと一番乗りしたメンバーだ。😀
神社が好きで、建築物に興味があって、文化財の保護に協力する・・・素敵な方々に囲まれて幸せだー‼️
皆さん、うきうきワクワクのにこやかな表情。
ヘルメットを装着し、倉敷市の文化財保護の担当者の挨拶も聞いて足場を登り、いざ作業中の屋根が見える場所へ!
4人の職人さんが屋根の上で横並びできっちりと檜皮を並べている。
檜皮は乾燥していると扱いにくいため、この寒い時期でも濡らして素手だ。
並べ終えたら、竹の釘でトントンと打っていく。
この釘、1本で1.4円だそう。
1300年前、つまり平安時代よりちょっと前からこの手法なんだそう。
全部を取り換えなくてもいいように間に銅板が挟み込まれている。
文化財保護の観点から、これで上の部分と痛んで取り換えなければならない部分だけを取り除くわけだ。
昔は銅板を薄く延ばすのは手作業だったけれど、今は機械で延ばせるので少し楽になったそう。
手作業なのにきっちりと1cm2mmずらして上へ上へと並べていく。
そして作業が速い!
竹の釘をたくさん口に含んで、手品みたいに1本ずつ口から出てきてそれを手に取って・・・。
一坪を仕上げるのに約ひと月かかるそうな。
大変な作業である。
檜皮は、檜の甘皮は残して10年ごとに剥ぐそう。
皮は針のないホッチキスと同じ原理で留めてつなげている。
軒の部分の厚みは20cmもある。
断面は奇麗に削られている。
すごくきれい!
軒切りを任せてもらえるようになるまで1,2年。
最初は練習は中間くらいまで削る作業をして、仕上げは熟練のベテラン職人が担当するそうな。
工事を担当している方が冗談で皆さんが茶室を立てるときにはお声がけくださいという。
4.5坪の茶室が普通ですけど、大体5千万円から1億円かかるそうです。
宝くじ当たったらお願いします!といった隣の男性にみんなニッコリ。🙂
隣の社殿の屋根は8年前に僕が担当しました!と誇らしげに話してくださる。
この軒の部分のR(アール)は職人の経験から導き出されるそうで、誰でもができるわけではないそうです。
確かに美しい曲線です。
降りてからは、施工体験コーナーで実際に竹釘を打ち込ませてもらった。
楽しい!
大満足で帰路につきました。





