当時住んでいたマンション周辺は治安があまり良くなかった。

 

例えば、、、

子供たちが登校途中に保護した女の子。

家まで送り届けて学校に行き、遅刻の理由を担任の先生に伝えると・・・関わってはいけない、今度から放置しなさいと言われて驚いて帰ってきた。

裸足で交差点に立っていた小さな女の子、放っておくなんてできないよねって。

 

エリア内のショッピングセンターにお買い物に行くと家族ぐるみで万引きしている!

よほど食べることに困っているんだろうけど・・・。

 

日曜日の朝7時過ぎにチャイムが鳴る。

出てみると女の子が立っていた。

「ごはんちょうだい。」

ぼさぼさの髪。

ああ、ネグレクトにあっているのかな?と思った。

でもごはんをあげることはできない。

どん底貧乏生活だったので、私の朝ごはんは子供たちの食べ残したパン耳だけだ。

おうちに帰りなさいとドアを閉めた。

毎日来るようになってしまっても、どうしてあげようもないし。

 

このエリア、運気が上がらないだけではなく、そういった境遇の方々が住んでいるんだと気づいたのは仙台市のお仕事を引き受けていたから。

市役所の方とたまたま私が住んでいるエリアの話になり、市内でも貧しい人たちが集まっているエリアの市営住宅があると聞いた。

うちのマンションの向かいじゃん!

市として管理する上でもいろんな事件があり頭を抱えていると、その事件の色々を話してくれた。

(あ、これは私の仕事上必要だったので教えてくれたんだよ。)

 

おいおい、夫を説得するとか言っている場合じゃなく、早く引っ越さないと!

 

そして、決定的な事件が起きた。

子供と同じクラスのお母さんが〇された。

〇人事件だ。

そう、向かいの市営住宅で。

 

そしてさらに、夫が足の小指を骨折した。
エレベーターのないマンションの4階への上り下りはとっても大変。

小指でも相当痛いらしい。

 

すぐに引っ越しに同意してくれた。

事前に物件を押さえていたことに、何でこうなると分かっていたんだ?とかなり驚かれたけど。

 

2週間後、私たちは引っ越し先の新しい家でホッと一息ついていたのだった。