4月になり新しい会社に出社だ。
自分たちの机やいすを搬入したり、電話回線を引いたり。
スターティングメンバーは、アパレル会社経営の社長と、社長の幼馴染と私に声を掛けてくれた知人と私の4人だ。
私以外は全員男性だ。
社長は俗にいう2代目で、社長になるために生まれてきたような人だ。
いくつかの特許を持っていて、有名企業から買収されそうになること度々。
私も〇レからの電話を受けたことがある。
ベンチャーキャピタルからの融資も順調で、金庫には常に数千万円の現金がある。
皆さんが今お使いのインターネットを使用したサービスのいくつかの土台を構築し、見通しがたったらシステム開発会社に渡すといったことを繰り返す。
ベンチャーだけど大阪の〇〇〇〇技研を下請けとして使うという状態。(笑)
ここの社長さんが実はうちの会社の会長だったのだ。
孫正義さんは7割以上成功すると思えなければ新規事業には手を出さないそうだけど、
うちの社長も成功ありきのIT業界進出だった。
2年後には、東北の優良ベンチャー5社に表彰された。
正社員は約20名に増え、アルバイトも含めると約50名の会社となった。
我が世の春ってこのことね、と感じる毎日だったが居心地が悪い。
この春は長く続かない。
嫌な予感がする。
最初の1年間、一緒に起業した人の適性を見てから役職を決めると社長は言っていた。
一年後、選ばれたのはなんと私だった。
まずい、とってもまずい。
社長の幼馴染と知人男性の二人、どっちが上に立つかで、し烈な争いをしていたのだ。
かくいう私は、女で良かったわー♪
男の仕事上の嫉妬ってすごいわね。
巻き込まれないようにしよーっと遠巻きに見ていたのだ。
私には個人事業主としての仕事やIさんの会社での仕事もあるからだ。
それがこの抜擢。
げんなりしていたら、仕事を通じて知り合ったK社長が声を掛けてくれた。
K社長は秋田美人だ!
「あなたもそろそろだから。」と謎の言葉を掛けて私をなぜか印鑑屋さんに連れて行ってくれた。
ここで役職にふさわしい印鑑を作れってことだった。
だが、その印鑑屋さん、只者ではなかった。
