「じゃあ、行ってくるね。美味しい紅茶、ご馳走様。」
彼女は神様のお使いで、さらに次の旅行先へ。
神社やお寺に行くそうだ。
「神様のお使いって、何をしてるの?」
「いろいろあるんだよ。受け取ったり運んだり、ね。」
うーん、よくわからない。
まぁ、いいか。(笑)
でも、神様とお話できたり、我が家で付喪神発見したり、羨ましいなぁ。
私もそーゆーの分かるようになったり、話せたりしたらいいのに。
翌日。
付喪神である香炉を希望通り玄関に置いて、そうじ。
いつもの私の持ち方だとくすぐったいと言っていたことを思い出し、声を掛けてから両手でそっと持ち上げる。
『玄関に置いてく・』
「きゃあ!喋った!!!」(驚愕!)
放り出すように、それでも傷つけないように香炉をぱっ!と手から離す。
「今、しゃべったよね!?」
確かに、意思疎通ができたらいいなって、私にも声が聞こえたらいいなって思って、昨晩寝る前に祈ったよ。
でもまさか本当に話しかけられるなんて!!!
恐怖心の方が大きい、これ!
思ってたのと違う!
マジで、香炉がしゃべるとビビる!
自分からお願いしておきながら文句たらたらの私を見上げて?(そんな感じがした)
『ゴォー』
香炉が吠えた・・・。
