読者の皆さんは「ブタがいた教室」という映画をご存知だろうか?
あらすじを簡単に説明すると「とある小学校のクラスで1頭の豚を飼って、最終的に食べるとか食べないとか話し合う」というもの…実際にあった話を題材にしてるそうですが、結末を言ってしまうと…
「最終的に”担任の一存”で屠殺場に送られる」
という、え?今までの話し合いはなんだったの?という非常に後味の悪いというか、モヤモヤする結末。
ちなみに私もこの作品でモヤモヤさせられた一人、そして色々ツッコみたいところがある。
そもそも、愛玩動物と家畜は別物なのに(最近は日本でもペットとして小型のブタを飼う人もいるようですが)あたかも愛玩動物として扱っているところ…名前を付ける云々の事ではないや、担任の思惑が全く理解に苦しむ。
担任は最初から食べるつもりだったのなら、なぜ途中で生徒に議論をさせたのか?
実際にブタを連れて来る前にペット動物と家畜の違いをきちんと説明するべきだった、いきなり連れてきたら小学生ならペット扱いしてしまうのは仕方ない。
実際に飼育ではなく、畜産に携わっている人を呼んで話を聞いたり直接養豚場へ見学に行く…くらいでも良かったのでは?
「命の授業」と称するなら、鶏を卵から孵化させて最終的に自分たちで鶏を絞めるところまでやればよかったのでは?(牛やブタは指定された処理場でないと屠殺できないが、鶏は大丈夫)実際に農業や畜産を教えている高校では卵の孵化~処理までを1年かけて授業でやってるところもある。
そして、あのブタは屠殺場に送られたきりその後、肉になって戻ってきたのか?それとも流通してしまったのかも謎のまま。
ペットの飼育ととらえると無責任、家畜の飼育としても説明不足…この一言につきる。
いち教師の「思いつき」に振り回された子供たちと、自らの命を犠牲にしたブタ…結局これは誰得だったんだ?としか思えない人生最高のモヤモヤ映画であることには変わりないのであった。