その33のタイトルは「いやしの時間」でした。
足が冷える時期が近づいてまいりました。
昔から冷え性なんですよね。
冬になると手足が冷たくなるんですが、
あまりの冷たさに時々驚かれます。
冬になってベッドで寝る時、
ゆうかちんに足をつけようものなら、
「ちょ、やめてよ!!
殺すよ!!」
と本気で嫌がられる態度に、
少々傷ついたりしております。
しかしそれでは寂しいので以前、
「高校の時、友達が冷え性だったんだけどさ。
彼女に冷えた足をモモで温めてもらうのが、
この上ない幸せを感じるって言っていたよ。
俺もあっためてもらえると嬉しいなあ。」
とハートフルな話をしてみたのですが、
「うん、そっかあ。
でもね、じゅやちんの足の冷たさは
異常
だからね。
くっつけられるとゆうかちんまで冷たなんねん。
ゆうかちんが悲しいのはじゅやちんも嫌やろ?
じゅやちんはゆうかちんを悲しませない、
ステキなお子さんやで。」
と、ぐうの音もでないほどハートフルに返されました。
どうやらゆうかちんの方が上手なようです。
* * * * *
冗談まじりの実際にあった会話ですが、
こんな中にも心理テクニックの要素があるんです。
それは「信頼」という力です。
僕がハートフルな話をしているにも関わらず、
それでもゆうかちんが
「冷たい、嫌だ、嫌なことするな、ひどい」
といった自分の気持ちばかりを訴えたとしたら、
相手である僕はどう感じたでしょう?
おそらく冗談を通りこして、
ちょっとイラっとしてきたことでしょう。
「いいじゃないか、ケチ、冷たい、ひどい」
と、彼女が感じているイライラと、
同じようなことを感じ始めたりするのです。
場合によってはケンカのきっかけになりかねません。
いわゆる、
くだらないことで喧嘩になる
というケースの可能生です。
この手のことで喧嘩になる場合、本質的には
愛してもらえない(足を温めてもらえない)と、
わかってもらえない(私を冷やさないで欲しい)
という気持ちから起こるんですけどね。
それまで「愛されない」と感じていた度合いだけ、
どんなに些細なことでもきっかけになりえます。
逆の「わかってもらえない」もまた然りです。
しかしながらこの時のゆうかちんは、
「ステキなあなたはそんなことをしない」
と、相手の価値を伝えることで信頼をしました。
この「信頼」に対して抵抗をしていくというのは、
なかなかに難しいものなのです。
何も言えなくなったり、
その場から離れたくなったりします。
例えば、不良少年が心を開くストーリーなんかは、
この「信頼」によって心を開いていく話が多いです。
彼らはものすごい疑いがあって抵抗するんですが、
よくある熱血教師ものでは
「俺はお前を信じている」
と真っすぐな信頼をもって関わり続けることで、
彼らの抵抗を乗り越えていったりします。
不良少年に信頼をもって近づいて行くと、
「うるせー!!」
といってその場から離れていく不良少年。
そんなシーン、一度は観たことがないでしょうか。
* * * * *
一方、僕の場合は疑いはないのですが、
「温めて欲しい」という要求があったりします。
ところが先に信頼された上でさらに要求するとなると、
「ものすごく甘えた男」に感じてしまうため、
男のプライド
というものがそれを許さないのです。
そうすると、何も言えなくなるんですね。
「むむむ…」
と、なってしまうわけであります。
そのようなわけでステキな僕は、
自分の足を自分のふくらはぎで温めたりして
とっても自立的な冬を過ごしているのですが、
何だかしてやられたように思えてたまらない、
今日この頃でございます。

