ドキュメンタリー「指揮者 三ツ橋敬子 新曲を振る」と京都市響とのドヴォルザーク「新世界より」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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「これが無いと…、私ずっと迷子です。」なんだか頼りない言葉で始まるドキュメンタリー。その小柄で若い女性は指揮者三ツ橋敬子さんでした。

 

プライベートの映像ではなんとなく頼りないごく普通の若い女性でしたが、1度音楽の現場に入ると表情が一変します。身長151㎝と言う小柄な身体が、はち切れんばかりに躍動しその声、その顔、その手の動き全てがしなやかに音楽を伝えていきます。

 

私がこの動画を初めて見たのは、4年くらい前だったと思います。たぶんこのドキュメンタリーが作られたのはその数年前でしょう。この動画の中の若い女性指揮者は私にはとても魅力的に見えました。ただ、少し不満も。若い楽員との話し合いやリハーサルの時、自分の意見をあまり強く言わないのはどうしてなんだろう、と思ったのです。オーケストラメンバーと一緒に音楽を作っていこうと言う気持ちは分かります。自分の考えを押しつけたくないという事も分かります。でも、演奏というのはもっと個人の持っているものを強く押し出していく物では無いか、と思ったのです。共演者と意見が違えばその時しっかり話し合えば良い。自分の物を押しつけるのは良いことでは無いと思いますが、お互いに思いを出し合わなければ本当の共演にはならないのでは無いか、そんな気がしたのです。

 

この動画からもう随分時間は経っています。たぶん音楽家としての三ツ橋敬子さんもあれから大きく成長されているのでは無いか。この人の演奏を一度生で聴きたいと思いながらまだそのチャンスに恵まれていません。できれば、いつか。札響を指揮するところなんか聴いてみたいと思うのですが。

 

こちらももう7年以上前の演奏記録です。(2017年7月1日(土) にロームシアター京都で開催された「ローム ミュージック フェスティバル2017 オーケストラ コンサートⅠ」の記録映像)

 

とても瑞々しく魅力のある演奏だと思いました。第2楽章のしなやかな歌、第3楽章の活きの良いリズム。はち切れるようなフィナーレまで、聴き応えのある演奏でした。